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欧米為替見通し:ドル・円は上値の重い展開か、米経済指標の改善期待も北朝鮮リスクは継続

発行済 2017-08-15 17:25
更新済 2017-08-15 17:34
欧米為替見通し:ドル・円は上値の重い展開か、米経済指標の改善期待も北朝鮮リスクは継続
今日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開を予想したい。
今晩発表の米経済指標はいずれも改善が予想され、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内追加利上げ観測が強まれば、ドル買い基調は継続の見通し。
ただ、米朝対立への不安は残り、ドルの上昇は限定的となりそうだ。


海外取引時間帯では21時半発表の米国の7月小売売上高、同輸入物価指数、8月NY連銀製造業景気指数など、前回から改善予想の経済指標が材料視される。
11日発表の7月消費者物価指数(CPI)の低調な内容を受け、FRBの年内追加利上げ観測はやや後退したものの、前週発表された6月JOLT求人件数が過去最高を記録するなど、経済指標には明るさもみられる。
今晩の7月小売売上高が3カ月ぶりにプラス圏に転じれば株高となり、米長期金利が上昇し、ドルを押し上げる要因になろう。
また、ダドリーNY連銀総裁がインタビューで年内にあと1回の利上げ実施を支持するとの見解を示したことも、ドル買いを支援しそうだ。


ただ、米朝の緊張に関しては引き続き注意が必要だ。
北朝鮮が米軍事拠点のグアム島周辺にミサイル発射を準備中とする問題で、金正恩朝鮮労働党委員長が米国の行動を「もう少し見守る」と述べたと報じられている。
両国だけでなく、中韓など周辺国からも自制を求める声が相次ぎ、米朝の軍事対立への過度な懸念は弱まったもよう。
足元ではリスク回避の円買いが後退し、ドル・円は110円台を回復しており、欧米市場でも同様の流れとなる見通し。
反面、金委員長は米国が「朝鮮半島周辺で危険な妄動を続ければ、重大な決断を下す」と警告。
トランプ米大統領の軽率な情報発信で再び緊張が高まる可能性もあり、円売りは小幅にとどまるだろう。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・7月消費者物価指数(前年比予想:+2.7%、6月:+2.6%)
・17:30 英・7月生産者物価指数・産出(前年比予想:+3.1%、6月:+3.3%)
・21:30 米・7月小売売上高(前月比予想:+0.3%、6月:-0.2%)
・21:30 米・8月NY連銀製造業景気指数(予想:10.0、7月:9.8)
・21:30 米・7月輸入物価指数(前月比予想:+0.1%、6月:-0.2%)
・23:00 米・8月NAHB住宅市場指数(予想:64、7月:64)
・23:00 米・6月企業在庫(前月比予想:+0.4%、5月:+0.3%)
・05:00 米・6月対米証券投資(5月:ネット長期有価証券+919億ドル)

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