*12:24JST 城南進研 Research Memo(4):個別指導部門は2ケタ減収となるも小学生が増加傾向に(1)
■城南進学研究社 (TYO:4720)の業績の動向
2. 部門別・グループ会社別の売上動向
(1) 個別指導部門
個別指導部門では、「城南コベッツ」ブランドの個別指導塾(小中高及び高卒生対象:1講師につき生徒数2名)を直営とFC方式で展開している。
2023年3月期末の教室数は、直営・FC合計で前期末比7教室減の236教室となり、売上高は前期比20.3%減の1,352百万円と減収基調が続いた。
内訳は、直営教室が同23.6%減の1,030百万円、FCが同7.5%減の322百万円で、直営教室の落ち込みが特に大きかった。
前述したように高校生、とりわけ単価の高い受験学年の生徒数の退塾時期が早期化したことに加え、2022年3月期に「城南予備校DUO」14校を「城南コベッツ」に統合した影響もあって、高校生・高卒生の生徒数が前期比2ケタ減と大きく落ち込み、生徒当たり売上単価も低下したことが減収要因となった。
一方、FC売上についても直営教室ほどではないものの、同様の傾向で減収となった。
同社は従来、予備校事業を展開していたことから高校生以上の生徒数が最も多かったが、2023年3月末時点の構成比で見ると中学生の比率が4割台と最も高く、次いで高校生・高卒生が3割台、小学生が2割台となっている。
中学生についても生徒獲得競争の激化により苦戦したものの、生徒数は概ね想定の範囲内で推移した。
一方、小学生について直営教室の新規入塾生徒数が前期比37.3%増と好調に推移した。
これは、中学受験を希望する生徒が増加傾向にあることに加えて、直営教室に算数専門塾として人気が高まっている「りんご塾」の併設を進めてきたことも一因となっている。
(2) 映像事業部門
映像事業部門では、大手予備校・河合塾のフランチャイジー(FCオーナー)として「河合塾マナビス」(高校生対象)を展開している。
映像授業はビデオオンデマンド方式で授業を視聴するため、生徒自身のペースで勉強を進められる点が特長となっている。
同社はそこに予備校運営で培った指導ノウハウを組み合わせることで高い合格実績を生みだし、顧客満足度を高めることで生徒数の獲得に成功している。
他のフランチャイジーは小中学生向けをメインとした学習塾が多く、受験対策や進路指導等のノウハウにおいて差別化が図れているものと思われる。
実際、2023年春の早慶上理、GMARCH合格者数において全マナビス342校舎中、上位3校を同社の運営校で占めたことからも、その強さをうかがい知ることができる。
2023年3月期の売上高は、前期比1.8%減の1,655百万円と若干ながら減少した。
校舎数は22校と前期末比横ばいだったものの、個別指導部門と同様、受験学年の退塾時期が早期化した影響で生徒数が前期末比で若干減少したこと、また、コロナ禍で制限されていた学校行事が再開されたことなどにより、生徒当たり受講時間が減少したことも減収要因となった。
(3) 幼少教育部門
幼少教育部門(単体)では、乳幼児を対象とした育脳教室「くぼたのうけん」(17(FC含む)教室)、乳幼児及び小学生を対象とした英語スクール「ズー・フォニックス・アカデミー」(直営・FC合計10校)、英語が学べる学童保育「放課後ホームステイ E-CAMP」(直営2教室)、算数に特化した個別指導塾「りんご塾」(直営・FC合計36教室)、「城南ルミナ保育園」(直営1園)を展開している。
また、複数の教育サービスを1拠点で提供する「城南ブレインパーク」※を7拠点開設しているほか、「くぼた式育児法」をソリューションとして民間教育機関(保育園・幼稚園)に提供している。
※「くぼたのうけん」「りんご塾」「ズー・フォニックス・アカデミー」のほか、そろばんの仕組みをタブレット端末で応用した暗算教室「そろタッチ」、アート教室「アトリエ太陽の子」、プログラミング教室「Viscuit(ビスケット)」、英語で理科実験を行う「Little Scientist」、思考力・表現力を養成する「P4C Little Thinkers」を提供している(各拠点で提供可能サービスは異なる)。
2023年3月期の売上高は、前期比19.4%増の702百万円となった。
2022年10月に子会社のリトルランドを吸収合併した影響によるもので、既存事業についてはほぼ横ばい水準であった。
2022年3月期売上高にリトルランドを加えた数値と比較すると、同3.4%減となっている。
コロナ禍の影響が続いており、乳幼児の体験入学数がまだ低迷していることが売上げの伸び悩みにつながっているようだ。
サービス別では、「りんご塾」は直営教室数が「城南コベッツ」直営教室への併設を進めたことで、前期末比21教室増の27教室と拡大し増収となり、「城南ルミナ保育園」と「放課後ホームステイ E-CAMP」は横ばい水準となった。
一方で、「くぼたのうけん」「ズー・フォニックス・アカデミー」は生徒数の減少により若干の減収となった。
また、「城南ブレインパーク」については「りんご塾」の生徒数は伸びているものの、その他の教育サービスが伸び悩んでおり、全体では横ばい水準に留まった。
教室数の増減を見ると、「くぼたのうけん」が前期末比1教室減の15教室、「りんご塾」の直営が同21教室増の27教室、FCが6教室増の9教室となったほか、「ズー・フォニックス・アカデミー」の直営が同横ばいの6校、FCが同4校減の4校となり、そのほかの教育サービスの増減はなかった。
また、「くぼた式育児法」を外部の民間教育機関に提供するソリューションサービスについては、ベビーシッター業界にも初めて導入※されるなど、同6園増の61園と順調に拡大した。
※NEXEED(株)が運営するベビーシッターサービス「クラリス」の有料オプションサービス(5,500円/50分)として導入された。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
2. 部門別・グループ会社別の売上動向
(1) 個別指導部門
個別指導部門では、「城南コベッツ」ブランドの個別指導塾(小中高及び高卒生対象:1講師につき生徒数2名)を直営とFC方式で展開している。
2023年3月期末の教室数は、直営・FC合計で前期末比7教室減の236教室となり、売上高は前期比20.3%減の1,352百万円と減収基調が続いた。
内訳は、直営教室が同23.6%減の1,030百万円、FCが同7.5%減の322百万円で、直営教室の落ち込みが特に大きかった。
前述したように高校生、とりわけ単価の高い受験学年の生徒数の退塾時期が早期化したことに加え、2022年3月期に「城南予備校DUO」14校を「城南コベッツ」に統合した影響もあって、高校生・高卒生の生徒数が前期比2ケタ減と大きく落ち込み、生徒当たり売上単価も低下したことが減収要因となった。
一方、FC売上についても直営教室ほどではないものの、同様の傾向で減収となった。
同社は従来、予備校事業を展開していたことから高校生以上の生徒数が最も多かったが、2023年3月末時点の構成比で見ると中学生の比率が4割台と最も高く、次いで高校生・高卒生が3割台、小学生が2割台となっている。
中学生についても生徒獲得競争の激化により苦戦したものの、生徒数は概ね想定の範囲内で推移した。
一方、小学生について直営教室の新規入塾生徒数が前期比37.3%増と好調に推移した。
これは、中学受験を希望する生徒が増加傾向にあることに加えて、直営教室に算数専門塾として人気が高まっている「りんご塾」の併設を進めてきたことも一因となっている。
(2) 映像事業部門
映像事業部門では、大手予備校・河合塾のフランチャイジー(FCオーナー)として「河合塾マナビス」(高校生対象)を展開している。
映像授業はビデオオンデマンド方式で授業を視聴するため、生徒自身のペースで勉強を進められる点が特長となっている。
同社はそこに予備校運営で培った指導ノウハウを組み合わせることで高い合格実績を生みだし、顧客満足度を高めることで生徒数の獲得に成功している。
他のフランチャイジーは小中学生向けをメインとした学習塾が多く、受験対策や進路指導等のノウハウにおいて差別化が図れているものと思われる。
実際、2023年春の早慶上理、GMARCH合格者数において全マナビス342校舎中、上位3校を同社の運営校で占めたことからも、その強さをうかがい知ることができる。
2023年3月期の売上高は、前期比1.8%減の1,655百万円と若干ながら減少した。
校舎数は22校と前期末比横ばいだったものの、個別指導部門と同様、受験学年の退塾時期が早期化した影響で生徒数が前期末比で若干減少したこと、また、コロナ禍で制限されていた学校行事が再開されたことなどにより、生徒当たり受講時間が減少したことも減収要因となった。
(3) 幼少教育部門
幼少教育部門(単体)では、乳幼児を対象とした育脳教室「くぼたのうけん」(17(FC含む)教室)、乳幼児及び小学生を対象とした英語スクール「ズー・フォニックス・アカデミー」(直営・FC合計10校)、英語が学べる学童保育「放課後ホームステイ E-CAMP」(直営2教室)、算数に特化した個別指導塾「りんご塾」(直営・FC合計36教室)、「城南ルミナ保育園」(直営1園)を展開している。
また、複数の教育サービスを1拠点で提供する「城南ブレインパーク」※を7拠点開設しているほか、「くぼた式育児法」をソリューションとして民間教育機関(保育園・幼稚園)に提供している。
※「くぼたのうけん」「りんご塾」「ズー・フォニックス・アカデミー」のほか、そろばんの仕組みをタブレット端末で応用した暗算教室「そろタッチ」、アート教室「アトリエ太陽の子」、プログラミング教室「Viscuit(ビスケット)」、英語で理科実験を行う「Little Scientist」、思考力・表現力を養成する「P4C Little Thinkers」を提供している(各拠点で提供可能サービスは異なる)。
2023年3月期の売上高は、前期比19.4%増の702百万円となった。
2022年10月に子会社のリトルランドを吸収合併した影響によるもので、既存事業についてはほぼ横ばい水準であった。
2022年3月期売上高にリトルランドを加えた数値と比較すると、同3.4%減となっている。
コロナ禍の影響が続いており、乳幼児の体験入学数がまだ低迷していることが売上げの伸び悩みにつながっているようだ。
サービス別では、「りんご塾」は直営教室数が「城南コベッツ」直営教室への併設を進めたことで、前期末比21教室増の27教室と拡大し増収となり、「城南ルミナ保育園」と「放課後ホームステイ E-CAMP」は横ばい水準となった。
一方で、「くぼたのうけん」「ズー・フォニックス・アカデミー」は生徒数の減少により若干の減収となった。
また、「城南ブレインパーク」については「りんご塾」の生徒数は伸びているものの、その他の教育サービスが伸び悩んでおり、全体では横ばい水準に留まった。
教室数の増減を見ると、「くぼたのうけん」が前期末比1教室減の15教室、「りんご塾」の直営が同21教室増の27教室、FCが6教室増の9教室となったほか、「ズー・フォニックス・アカデミー」の直営が同横ばいの6校、FCが同4校減の4校となり、そのほかの教育サービスの増減はなかった。
また、「くぼた式育児法」を外部の民間教育機関に提供するソリューションサービスについては、ベビーシッター業界にも初めて導入※されるなど、同6園増の61園と順調に拡大した。
※NEXEED(株)が運営するベビーシッターサービス「クラリス」の有料オプションサービス(5,500円/50分)として導入された。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)