[上海 5日 ロイター] - 中国の上場企業は市場のボラティリティーが上昇し、国内デリバティブ市場が成長する中、記録的なペースでヘッジ手段を取り入れている。
非金融セクターの上場企業120社以上が4─6月期にオプションや先物などのツールを使ってリスクをヘッジする計画を初めて発表。四半期ベースで最多となった。
リスク管理コンサルタント会社の避険網(D-Union)によると、これにより上半期にヘッジの取り決めを公表した上場企業数は1000社を超え、昨年通年の1133社にほぼ並んだ。
避険網の馬衛鋒最高経営責任者(CEO)は「ヘッジの人気は為替リスクを含む不確実性の高まりによるものだ」と説明。ヘッジを巡る開示規則がより厳しくなっていることも一因だろうと述べた。
避険網によると、人民元の値決めで市場原理がより大きな役割を果たすことを規制当局が認めているため、為替ヘッジは中国企業の間で人気がある。
人民元は5月に心理的節目の1ドル=7元の水準を突破。中国の景気回復がさえない中、第2・四半期には対ドルで5%以上下落した。
半導体メーカーの紹興中芯集成電路製造や酒類大手の瀘州老窖などの企業が第2・四半期に為替リスクをヘッジする計画を発表した。
馬氏によると、デリバティブ市場発展に向けた中国の措置もヘッジへの関心を高めた。中国の先物・デリバティブ法は昨年8月に施行され、上海と深センの証券取引所もヘッジ活動の開示基準を高めた新しい規則を発表した。
避険網のデータによると、第2・四半期にヘッジが最も活発だったセクターはエレクトロニクス、基礎化学品、電気機器などだ。例えば、送電機器メーカーの思源電気は6月、生産に欠かせない銅の価格変動に対してヘッジ手段を用いる方針を示した。
(Li Gu記者、Samuel Shen記者、Tom Westbrook記者)