11日の香港市場は値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比173.72ポイント(0.72%)安の24088.46ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が87.81ポイント(0.86%)安の10165.98ポイントとそろって4日続落した。
売買代金は768億800万香港ドルにやや拡大している(10日は651億400万香港ドル)。
地政学リスクが警戒される展開。
「米軍は北朝鮮をけん制するため、原子力空母や駆逐艦を朝鮮半島近海に派遣した」と伝えられた。
「中国軍が北朝鮮との国境に展開している」とする出所不明のニュースも昨夜に流れている(中国外交部は「状況を把握していない」とコメント)。
指数は朝方に上昇する場面がみられたものの、中盤から下げ幅を広げている。
ハンセン指数の構成銘柄では、天然ガス事業の昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が4.5%安、パソコン世界最大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が2.9%安、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が1.8%安と下げが目立った。
H株金融セクターも売られる。
中国銀河証券(6881/HK)が1.5%、広発証券(1776/HK)が1.1%、中国工商銀行(1398/HK)と中国農業銀行(1288/HK)がそろって1.4%ずつ下落した。
銀行株に関しては、金融当局による規制強化の動きも警戒されている。
中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は10日、銀行業のリスク防止・管理を一段と強化する方針を表明した。
銀行のリスクとして、特に不動産融資をコントロールするよう指導している。
半面、金鉱セクターは高い。
招金鉱業(1818/HK)が2.3%、紫金鉱業集団(2899/HK)が1.7%、霊宝黄金(3330/HK)が1.6%ずつ上昇した。
安全資産として着目されるなか、金相場の先高観が強まっている。
防衛関連とされる銘柄も物色された。
航空機メーカーの中国航空科技工業(アビチャイナ:2357/HK)が2.5%高、軍用船も製造する造船大手の中船海洋与防務装備(CSSCオフショアアンドマリン・エンジニアリング:317/HK)が1.4%高としっかり。
他の個別株動向では、中国本土の大手ブローカー、国泰君安証券(2611/HK)が本日メインボードに新規上場。
公募価格と同値の15.84香港ドルで取引を終えた。
同社の調達額は、香港市場のIPO(新規株式公開)で今年最大となる。
本土市場は反発。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.60%高の3288.97ポイントで取引を終えた。
約1年3カ月ぶりの高値水準を回復している。
河北省での「雄安新区」設立に絡んだ銘柄が連日で急騰するなか、投資家のセンチメントも上向いた。
【亜州IR】