■トピックス1. インフルエンザの大流行この冬のインフルエンザシーズンは、2019年1月初旬から本格的な流行期に入った。
ピーク時期の患者数は過去10年で最多だった昨年と同等のレベルに達し、2年連続の大流行となった。
大幸薬品 (T:4574)のクレベリン製品群は、二酸化塩素が発生する製品である。
二酸化塩素には、空間のウイルス・菌を除去する働きがあるため、インフルエンザの流行拡大は、二酸化塩素関連製品の販売に追い風となる可能性が高い。
2019年3月期第3四半期の業績にはその影響はほとんど反映されていないが、3月15日の業績予想の上方修正に関する開示資料において感染管理事業の好調ぶりが記載されており、インフルエンザの流行拡大が業績を後押しした可能性がある。
2. クレベリン製品のデザインを一新し、新TVCMをリリース2018年は、同社が中長期成長戦略の一環として推進するマーケティング及びブランディング改革の成果が現れた年だった。
世界的デザイナーである佐藤オオキ氏が率いるnendoと複数年の包括的パートナー契約を結び、マーケティング及びブランディング戦略を刷新する。
クレベリン製品のデザイン全面リニューアルは今回が初めて。
機能や使い方の更なる理解、浸透を目的に、パッケージのデザイン、製品名、ブランドロゴを一新した。
製品本体は 空間に馴染むよう、白を基調にしたシンプルなデザインに仕上げた。
新たにブランドアイコン「シードット(Cに点)」を用い、視認性を高めた。
2018年12月からは新TVCMを放映開始。
主要ターゲットである受験生や妊産婦、乳幼児を持つ母親を意識した内容になっている。
新デザイン商品の棚割り提案も成功し、インフルエンザ流行直前に新CMも投入され、マーケティング施策の連動が効果的に行われたもようだ。
3. 店頭販売の動向同社のクレベリン製品(一般用製品)はウイルス除去効果市場において市場シェア50%を超え、圧倒的なトップブランドである。
2019年3月期第3四半期においても、市場全体の成長率9%増に対し、クレベリン製品の成長率は17%増と大きく市場を上回り、その地位を確実なものにしている。
他社と大きく差を開いた要因としては、高品質なブランド認知が蓄積していることに加え、デザインのリニューアルに伴う重層的なマーケティング施策が奏功したことが挙げられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)