[ベルリン 24日 ロイター] - 独IFO経済研究所が24日に発表した5月の業況指数は91.7となり、前月の93.4から低下した。ロイターがまとめたアナリスト予想の93.0も下回った。期待指数が大幅に低下したことが背景にある。
業況指数の低下は7カ月ぶり。
5月は期待指数、現況指数がともに低下。期待指数は91.7から88.6に低下し、現況指数は95.1から94.8に低下した。
クレメンス・フュースト所長は「ドイツ企業は今年の夏について懐疑的に見ている」と指摘。
製造業の期待指数は、ウクライナで戦争が始まった直後の昨年3月以来の大幅な低下となった。IFOのエコノミスト、クラウス・ボールラーベ氏は「工業における期待の急低下は驚くほどだ」とし、金利が需要を冷やす中、輸出に関する期待感も顕著に後退したと述べた。
ボールラーベ氏は一方、供給網の目詰まり問題が一段と緩和し、供給面では状況は改善していると分析した。また、値上げを計画している企業が減るなど、インフレについても明るい兆候が出ているとした。
コメルツ銀行のチーフエコノミスト、イエルク・クレーマー氏は、他の経済指標も振るわず、IFO業況指数の低下は例外ではないと指摘。「今年下半期にテクニカル的なリセッション(景気後退)に陥る可能性は、景気が回復する可能性よりも高い」と述べた。