[15日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は15日、連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めがインフレを鈍化させているという証拠はほとんどなく、借り入れコストの一段の上昇が必要になるとの見解を示した。
アトランタ連銀のウェブサイトに掲載された論文で、「金融引き締めは、まだインフレ率を著しく低下させるほど企業活動を抑制していない」と指摘。インフレ率をFRBの2%目標に回帰させるために金融政策を十分制約的にするには「さらなる利上げが必要だろう」とした。
今後の利上げペース鈍化に賛成するかや今後どの程度の利上げが必要かなどは示さなかったが、直近で発言した他のFRB当局者と同様に物価上昇圧力を抑制するFRBの戦いは終わっておらず、経済がより広範囲にわたり鈍化する恐れがあっても利上げは継続されると言及。リセッション(景気後退)は避けられるとしながらも、インフレが定着するよりはリセッションの方が好ましいとした。
また、利上げの影響がインフレに完全に反映されるには数カ月かかるとみられるため、「インフレ以外の経済シグナルを道しるべにする必要がある」が、労働市場はなお引き締まっており、賃金の上昇圧力が維持されているほか、財価格の上昇は幾分緩和されているものの、サービス価格は引き続き上昇しているとした。
「目下、連邦公開市場委員会(FOMC)の第一の業務は受け入れがたいほど高水準のインフレを抑制することだ」と強調。政策金利が適切に制約的な水準に引き上げられた後は、インフレが2%にしっかりと向かっているという確固たる証拠が得られるまで同水準で維持する必要があるとした。