[台北 16日 ロイター] - 台湾当局は16日、中国軍が台湾の主要な空軍基地がある澎湖諸島の映像を公開したことについて、視覚的な錯覚効果で実際より近づいているかのように見せたと批判した。
中国人民解放軍東部戦区司令部は15日、空軍機から撮影したとみられる澎湖諸島の映像を公表した。
台湾空軍の董培倫・作戦副参謀長は台北で、これは中国の情報戦だと記者団に語ったが、誰が撮影したのかについてはコメントしなかった。澎湖諸島にどれだけ近づいているかを誇張する手口を使ったが、「事実ではない」と語った。
国防部は15日、台湾周辺の中国空軍の活動に関する新たな情報を公表し、同日に澎湖諸島に最も接近した中国機はJ16戦闘機4機だと地図上に示した。それによると、戦闘機は台湾海峡の中間線を越えたが、澎湖よりも中国沿岸に近い場所にいたという。
董氏は、上空で起こっていることを台湾はリアルタイムで把握しているとし、中国機は台湾の北と南西で中間線を越えて飛行していると述べた。
澎湖諸島は、中国に近い金門島や馬祖島とは異なり、台湾の南西部沿岸に近い。
国防部の孫立方報道官は、来年の防衛予算案が行政院(内閣)に提出されたことを明らかにし、予算案は「敵の脅威に関する評価」、軍事的な開発ニーズ、台湾の全体的な財源に基づいていると述べた。詳細には言及しなかった。