年末年始の外為市場でドル・円は例年になく荒れ模様となり、正月気分も早々に吹き飛びました。
世界経済の減速懸念が急激に広がり始め、なお予断を許さない情勢です。
これほど大きな値動きがみられるのは、「あの年」以来のことではないでしょうか。
今回の年末年始休暇は2018年12月29日-19年1月3日の6日間が一般的でしたが、外為市場は基本的に365日取引可能です。
ドル・円は日本が休場の間、110円30銭(NY終値)から110円を割り込むと、下値支持線として意識されていた109円77銭(8月安値)を、年明けには節目の109円50銭をそれぞれ下抜け、下げが加速。
1月3日の早朝には108円後半から一気に104円台に急落する場面がありました。
ドルの104円台は昨年3月以来10カ月ぶりのことです。
この年末年始に発表された中国の製造業関連の経済指標が弱く、世界経済の腰折れ懸念がにわかに広がります。
また、米トランプ政権の来年度予算編成をめぐる与野党の攻防による政府機関の一部閉鎖などの混乱も嫌気されました。
さらに、アップルの業績予想の下方修正が警戒の円買いを誘発。
ドルの買い手である本邦勢が不在のタイミングだったことも重なりました。
人工知能(AI)による自動取引が円急伸の要因だとしたら、ハプニングとも考えられます。
ただ、ドルはその後107円台に持ち直したものの、104円台の残像は生々しく、下値への警戒感は残ります。
連邦準備制度理事会(FRB)による利上げシナリオの下方修正は必定で、目先発表される経済指標の弱さが顕著になれば、106円や105円など心理的節目の水準も強い支持線にはなりづらいでしょう。
年末年始の取引はほとんど小口のため相場はそれほど大きく動かないだろう、と多くの市場関係者は考えがちです。
実際、この10年あまりを遡ってみても、今回のような大きな変動は異例と言えます。
しかし、2007年はドル高・円安が夏ごろ一服し、年末から2008年の年初にかけて3円から4円も円高に振れたケースがありました。
その年の9月に何が起こったのか、投資家なら知らない人はいないはずです。
1月は雇用統計(4日)の後、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表(9日)、消費者物価指数(11日)、10-12月期国内総生産(GDP)速報値(30日)、そしてFOMC会合(29-30日)と、重要な経済指標の発表やイベントが目白押しです。
昨年末に話題となったトランプ大統領のFRB議長解任に関し可能か否かは別として、当局が強気になるほどその問題に市場の関心が向かい、ドル売り要因となる可能性もあります。
政治日程も絡んできます。
イギリスの欧州連合(EU)離脱合意案の議会採決は14日に予定されていますが、承認されない場合、織り込み済みとしてポンド・円が買い戻されるとは思えず、クロス円経由でドルを下押ししそうです。
また、米朝首脳会談の2回目の開催も、早ければ今月中に決まる見通し。
朝鮮戦争の終結で在韓米軍の撤退に現実味が増せば、地政学リスクによる重厚な円買いは避けられそうにありません。
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。
世界経済の減速懸念が急激に広がり始め、なお予断を許さない情勢です。
これほど大きな値動きがみられるのは、「あの年」以来のことではないでしょうか。
今回の年末年始休暇は2018年12月29日-19年1月3日の6日間が一般的でしたが、外為市場は基本的に365日取引可能です。
ドル・円は日本が休場の間、110円30銭(NY終値)から110円を割り込むと、下値支持線として意識されていた109円77銭(8月安値)を、年明けには節目の109円50銭をそれぞれ下抜け、下げが加速。
1月3日の早朝には108円後半から一気に104円台に急落する場面がありました。
ドルの104円台は昨年3月以来10カ月ぶりのことです。
この年末年始に発表された中国の製造業関連の経済指標が弱く、世界経済の腰折れ懸念がにわかに広がります。
また、米トランプ政権の来年度予算編成をめぐる与野党の攻防による政府機関の一部閉鎖などの混乱も嫌気されました。
さらに、アップルの業績予想の下方修正が警戒の円買いを誘発。
ドルの買い手である本邦勢が不在のタイミングだったことも重なりました。
人工知能(AI)による自動取引が円急伸の要因だとしたら、ハプニングとも考えられます。
ただ、ドルはその後107円台に持ち直したものの、104円台の残像は生々しく、下値への警戒感は残ります。
連邦準備制度理事会(FRB)による利上げシナリオの下方修正は必定で、目先発表される経済指標の弱さが顕著になれば、106円や105円など心理的節目の水準も強い支持線にはなりづらいでしょう。
年末年始の取引はほとんど小口のため相場はそれほど大きく動かないだろう、と多くの市場関係者は考えがちです。
実際、この10年あまりを遡ってみても、今回のような大きな変動は異例と言えます。
しかし、2007年はドル高・円安が夏ごろ一服し、年末から2008年の年初にかけて3円から4円も円高に振れたケースがありました。
その年の9月に何が起こったのか、投資家なら知らない人はいないはずです。
1月は雇用統計(4日)の後、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表(9日)、消費者物価指数(11日)、10-12月期国内総生産(GDP)速報値(30日)、そしてFOMC会合(29-30日)と、重要な経済指標の発表やイベントが目白押しです。
昨年末に話題となったトランプ大統領のFRB議長解任に関し可能か否かは別として、当局が強気になるほどその問題に市場の関心が向かい、ドル売り要因となる可能性もあります。
政治日程も絡んできます。
イギリスの欧州連合(EU)離脱合意案の議会採決は14日に予定されていますが、承認されない場合、織り込み済みとしてポンド・円が買い戻されるとは思えず、クロス円経由でドルを下押ししそうです。
また、米朝首脳会談の2回目の開催も、早ければ今月中に決まる見通し。
朝鮮戦争の終結で在韓米軍の撤退に現実味が増せば、地政学リスクによる重厚な円買いは避けられそうにありません。
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。