[パリ 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は8日、欧州各国はエネルギー危機対策をこれ以上拡大させず、今後2─3年のうちに縮小させるべきと述べた。
トゥールーズ経済学院での講演で、欧州各国にはこのような対策を持続的に行う余裕はなく、結局は税制を通じて一部の企業・家計から他の企業・家計へ、また債務を通じて将来の世代へ財政負担を転嫁するだけだと指摘。そのため、このような対策はエネルギー危機のピークを過ぎれば縮小させるべきであり、また、ドイツやオランダの対策のように省エネの意識が損なわれないよう設計される必要があるとした。
ビルロワドガロー総裁は「22年以降の累積負担の配分における公的負担は、現在のレベルを超えてはならず、例えば2─3年以内にゼロに向かうべき」としたほか、たとえ家計から不満が出る可能性があったとしても、使用するエネルギー量に応じて企業と家計に公平に負担させるべきとした。
さらに、コモディティー価格の上昇が緩和し、世界経済の減速が輸入の重しになれば、来年には交易条件のショックが収まると言及。ただ、欧州各国が23/24年の冬季に向けて在庫を確保する必要がある時にガス価格が高止まりしていれば、平坦な道ではなくなる可能性があるとした。