■決算動向
1. 過去の業績推移
過去の業績を振り返ると、店舗数の拡大がDDホールディングス (T:3073)の成長をけん引してきた。
特に、M&Aによる規模拡大が出店ペースに拍車をかけてきた。
一方、2013年2月期からの3期間において売上高の伸びが鈍化しているのは、不採算店舗の閉店やブランドマネジメント制導入に伴うブランドの集約及び統合により、店舗数が頭打ちとなったことが要因である。
ただし、2014年2月期でブランド集約及び統合が一巡したことから、2015年2月期より再び高収益ブランドを軸とした出店拡大を図っており、新たな成長期に入ったと見られる。
利益面では、2010年2月期に過去最高の営業利益を達成し、営業利益率も6.9%の水準にあったものの、その後は既存店の伸び悩みや業態変更に伴う費用増などにより低下傾向となった。
ただ、2015年2月からの高収益ブランドの出店拡大等により、足元の利益率水準は回復傾向にあると言える。
財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率はおおむね20%台で推移してきた。
有利子負債残高も高い水準にあり、積極的な事業拡大を図るためには、財務基盤の増強は今後の課題として挙げられる。
キャッシュ・フローの状況も、2012年2月期から2014年2月期までは営業キャッシュ・フローが投資キャッシュ・フローを上回る状況が続いていたが、積極的な新規出店を再開した2015年2月期以降は投資キャッシュ・フローが大きくなり、有利子負債残高の増加に結び付いてきた。
また、2017年2月期以降の投資キャッシュ・フローの拡大は、(株)ゼットン及び(株)商業藝術並びに(株)エスエルディーなどM&Aに加え、周辺事業の拡充によるものである。
ゼットン及び商業藝術の連結効果や既存店の伸びなどにより、大幅な増収増益
2. 2018年2月期決算の概要
2018年2月期の連結業績は、売上高が前期比47.8%増の45,077百万円、営業利益が同34.4%増の2,204百万円、経常利益が同54.8%増の2,223百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同55.8%増の1,010百万円と大幅な増収増益となり、売上高、各利益ともに過去最高を更新した。
2017年6月1日付の増額修正予想に対しても大きく上回る着地となっている。
売上高は、(株)ゼットン及び(株)商業藝術の連結効果(9ヶ月分)※1に加えて、前期出店分(21店舗)の通年寄与や既存店売上高の伸び、今期出店分(19店舗((株)ゼットン、(株)商業藝術を含む))が増収要因となった。
特に、既存店売上高(国内)が前期比101.8%※2と好調に推移したことや連結効果の上振れが計画を上回った要因と言える。
※1 2社合計で約130億円の増収要因。
したがって、連結効果を除くと出退店の影響を加味しても約15億円(前期比5.0%増)の増収(オーガニック成長)となっている。
※2 既存店売上高(国内)の内訳として、飲食事業が前期比100.1%(計画は99.1%)、アミューズメント事業が前期比106.1%(計画は101.5%)とそれぞれ前期比及び計画比で上回った。
利益面でも、新規事業(国内ウェディングやカプセルホテルなど)の大型店開業に係るイニシャルコストやグループ集約(持株会社体制への費用を含む)等にかかる一過性の費用計上があったものの、連結効果※1が営業利益を押し上げる要因となったほか、連結効果を除いた部分でも既存店売上高の伸びなどにより大幅な営業利益を実現した。
ただ、販管費率が増収に伴う固定費軽減により1.9ポイント改善した一方、原価率が2.4ポイント上昇したことから営業利益率は4.9%(前期は5.4%)に低下している。
原価率悪化の背景には、1)酒税法改正に伴うビールの値上げや、2)カフェ業態を中心とするゼットン及び商業藝術の連結化(業態特性)※2の2つの要因が挙げられるが、特に2)による影響が大きかったようだ※3。
なお、減損損失(751百万円)を特別損失に計上しているのは、連結子会社の一部の固定資産(店舗設備等)に対する保守的な判断に基づくものである。
※1 2社合計で約3.6億円の営業増益要因。
※2 カフェ業態は、居酒屋業態と比べて一般的に原価率が高くなる特性がある。
※3 連結効果を除いた原価率では前期比0.1ポイントの悪化であったようだ。
財政状態についても、連結効果などにより大きく変化している。
総資産が前期末比47.6%増の27,653百万円に大きく拡大した一方、自己資本も内部留保の積み増しやその他有価証券評価差額金等により同43.9%増の5,608百万円に増加したことから、自己資本比率は20.3%(前期末は20.8%)とほぼ横ばいを確保した。
特に、「のれん」が3,120百万円(前期末は112百万円)と大きく増加しているところには注意が必要である。
なお、有形固定資産(及び開業費)の拡大には、2017年10月にオープンした国内ウェディング事業第1号店(京都市東山区)などが含まれている。
一方、有利子負債残高も前期末比47.3%増の14,255百万円に拡大。
同社の潤沢な営業キャシュ・フロー※から判断して、返済能力に懸念はないものの、更なる事業拡大に向けて財務基盤の強化は今後の課題と言える。
※有利子負債を営業キャッシュ・フローで除した「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」(何年分の営業キャッシュ・フローで返済できるかを示す指標)は7.1年となっている。
一般的には10年を超えると返済能力に懸念があると評価される可能性がある。
主な事業別の業績は以下のとおりである。
国内飲食事業は、売上高が前期比65.4%増の34,846百万円、営業利益は同52.0%増の3,656百万円と大幅な増収増益となった。
売上高は、前述のとおり、2社分の連結効果に加えて、前期出店分(14店舗)の通年寄与や既存店売上高の伸び、今期出店分(16店舗)が増収要因となった。
特に、既存店売上高が前期比100.1%(計画は99.1%)と計画を上回ったほか、連結効果にも上振れがあったようだ。
利益面でも連結効果に加えて、既存店売上高の伸びなどにより大幅な増益を実現。
ただ、利益率が10.5%(前期は11.4%)に低下しているのは、前述のとおり、ビールの値上げやカフェ業態の連結化による原価率の上昇のほか、国内ウェディング事業の初期費用などが影響したようだ。
海外飲食事業は、売上高が前期比6.7%増の1,511百万円、営業損失が96百万円(前期は181百万円の損失)と増収増益により損失幅が縮小した。
売上高は、前期(2017年2月期)におけるシンガポールからの撤退がマイナス要因となったものの、ハワイウェディング事業が立ち上がってきたことにより増収を確保した。
利益面でも、ハワイウェディング事業の伸びや不採算であったシンガポールからの撤退により損益改善が進んできた。
アミューズメント事業は、売上高が前期比8.6%増の8,719百万円、営業利益が同37.6%増の1,538百万円と増収増益であった。
売上高は、前期(2017年2月期)における優良大型店3店の退店による影響を受けたものの、前期出店分(7店舗)の通年寄与や既存店売上高の伸び、今期出店分(3店舗)が増収要因となった。
特に、既存店売上高は、パーティー需要の取り込みや各業態での店内施策が奏功したことで前期比106.1%(計画は101.5%)と好調に推移した(14ヶ月連続の対前年同期超えを実現)。
利益面でも、新規事業(カプセルホテル)及び新規出店の立ち上げによる初期費用が発生したものの、厳選立地への出店による早期黒字化や既存店売上高の伸びにより大幅な増益を実現し、利益率も17.6%(前期は13.9%)に大きく改善している。
■活動実績
1. 新規出店の実績
2018年2月期の新規出店は、国内飲食16店舗、アミューズメント3店舗の合計19店舗(計画は17店舗)と順調であった。
そのうち、既存ブランドが14店舗、新規ブランドが5店舗となっている。
既存ブランドは、「九州熱中屋」や「今井屋」、「BAGUS」などの中核ブランドのほか、長崎県五島市との連携※によるブランド「五島人」3店舗の新規出店を行った。
また、新規ブランドには、国内ウェディング事業における「京都祝言 SHU:GEN」(ウェディング施設)及び「京都幽玄 JUGEN」(料亭)のほか、カプセルホテル事業「GLANSIT(グランジット)」が含まれている。
※2017年2月7日に同社子会社のゴールデンマジックと五島市の間で「地域活性化連携協力に関する包括連携協定書」を締結。
相互連携協力と活動の推進により、五島市の更なる地域創生を図り、地域社会の発展に寄与していくことを目指す。
2018年2月末の直営店舗数は、新規出店19店舗、M&Aによる取得148店舗、退店15店舗により前期末比152店舗増の425店舗(そのうち、海外6店舗)と大きく拡大した。
特に、ゼットン及び商業藝術の連結化により、出店エリアの拡大や業態の多様化(ノンアルコール業態等)など、ブランドポートフォリオの拡充(分散)を実現したことは大きな成果と言える。
2. 国内ウェディング事業への本格参入
2017年9月には、連結子会社(株)The Sailingが、約380坪の広い敷地内に、八坂の塔を望むチャペルを持つウェディング施設「京都祝言 SHU:GEN」と料亭「京都幽玄 JUGEN」※を同時オープンし、国内ウェディング事業へも本格参入した。
初期投資額は約10億円規模(有形固定資産及び開業費)と推定される。
今後、2年半から3年をかけて単月黒字化を目指す計画だが、受注状況は計画を上回るペースで進捗しており、上々の滑り出しとなった。
※大正期に文豪や多くの名士が集った老舗旅館と旧三井邸を合わせてリノベーションした店内と日本庭園の景観美とともに、新鮮で厳選された四季折々の食材による日本料理の会席コースが楽しめる。
3. カプセルホテル事業への新規参入
また2017年10月には、連結子会社(株)バグースがカプセルホテル第1号店となる「GLANSIT AKIHABARA~COMFORT CAPUSLE HOTEL~(グランジット アキハバラ コンフォート カプセル ホテル」※(東京都千代田区外神田)をオープンし、需要が拡大しているカプセルホテル事業へも新規参入した。
これまで複合カフェ(インターネットカフェ)事業などで培ってきたノウハウを生かし、市場の伸びを同社の成長に取り込むところに狙いがある。
今後も継続的に出店していく方針のようだ。
※「GLAMPING」と「TRANSIT」を掛け合わせた「GLANSIT」ブランドは、バグースの強みである高いクオリティとホスピタリティによって、様々な目的を持った利用者の拠点または中継拠点として、ひと時の安らぎを追求するワンランク上のカプセルホテルをコンセプトとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
1. 過去の業績推移
過去の業績を振り返ると、店舗数の拡大がDDホールディングス (T:3073)の成長をけん引してきた。
特に、M&Aによる規模拡大が出店ペースに拍車をかけてきた。
一方、2013年2月期からの3期間において売上高の伸びが鈍化しているのは、不採算店舗の閉店やブランドマネジメント制導入に伴うブランドの集約及び統合により、店舗数が頭打ちとなったことが要因である。
ただし、2014年2月期でブランド集約及び統合が一巡したことから、2015年2月期より再び高収益ブランドを軸とした出店拡大を図っており、新たな成長期に入ったと見られる。
利益面では、2010年2月期に過去最高の営業利益を達成し、営業利益率も6.9%の水準にあったものの、その後は既存店の伸び悩みや業態変更に伴う費用増などにより低下傾向となった。
ただ、2015年2月からの高収益ブランドの出店拡大等により、足元の利益率水準は回復傾向にあると言える。
財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率はおおむね20%台で推移してきた。
有利子負債残高も高い水準にあり、積極的な事業拡大を図るためには、財務基盤の増強は今後の課題として挙げられる。
キャッシュ・フローの状況も、2012年2月期から2014年2月期までは営業キャッシュ・フローが投資キャッシュ・フローを上回る状況が続いていたが、積極的な新規出店を再開した2015年2月期以降は投資キャッシュ・フローが大きくなり、有利子負債残高の増加に結び付いてきた。
また、2017年2月期以降の投資キャッシュ・フローの拡大は、(株)ゼットン及び(株)商業藝術並びに(株)エスエルディーなどM&Aに加え、周辺事業の拡充によるものである。
ゼットン及び商業藝術の連結効果や既存店の伸びなどにより、大幅な増収増益
2. 2018年2月期決算の概要
2018年2月期の連結業績は、売上高が前期比47.8%増の45,077百万円、営業利益が同34.4%増の2,204百万円、経常利益が同54.8%増の2,223百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同55.8%増の1,010百万円と大幅な増収増益となり、売上高、各利益ともに過去最高を更新した。
2017年6月1日付の増額修正予想に対しても大きく上回る着地となっている。
売上高は、(株)ゼットン及び(株)商業藝術の連結効果(9ヶ月分)※1に加えて、前期出店分(21店舗)の通年寄与や既存店売上高の伸び、今期出店分(19店舗((株)ゼットン、(株)商業藝術を含む))が増収要因となった。
特に、既存店売上高(国内)が前期比101.8%※2と好調に推移したことや連結効果の上振れが計画を上回った要因と言える。
※1 2社合計で約130億円の増収要因。
したがって、連結効果を除くと出退店の影響を加味しても約15億円(前期比5.0%増)の増収(オーガニック成長)となっている。
※2 既存店売上高(国内)の内訳として、飲食事業が前期比100.1%(計画は99.1%)、アミューズメント事業が前期比106.1%(計画は101.5%)とそれぞれ前期比及び計画比で上回った。
利益面でも、新規事業(国内ウェディングやカプセルホテルなど)の大型店開業に係るイニシャルコストやグループ集約(持株会社体制への費用を含む)等にかかる一過性の費用計上があったものの、連結効果※1が営業利益を押し上げる要因となったほか、連結効果を除いた部分でも既存店売上高の伸びなどにより大幅な営業利益を実現した。
ただ、販管費率が増収に伴う固定費軽減により1.9ポイント改善した一方、原価率が2.4ポイント上昇したことから営業利益率は4.9%(前期は5.4%)に低下している。
原価率悪化の背景には、1)酒税法改正に伴うビールの値上げや、2)カフェ業態を中心とするゼットン及び商業藝術の連結化(業態特性)※2の2つの要因が挙げられるが、特に2)による影響が大きかったようだ※3。
なお、減損損失(751百万円)を特別損失に計上しているのは、連結子会社の一部の固定資産(店舗設備等)に対する保守的な判断に基づくものである。
※1 2社合計で約3.6億円の営業増益要因。
※2 カフェ業態は、居酒屋業態と比べて一般的に原価率が高くなる特性がある。
※3 連結効果を除いた原価率では前期比0.1ポイントの悪化であったようだ。
財政状態についても、連結効果などにより大きく変化している。
総資産が前期末比47.6%増の27,653百万円に大きく拡大した一方、自己資本も内部留保の積み増しやその他有価証券評価差額金等により同43.9%増の5,608百万円に増加したことから、自己資本比率は20.3%(前期末は20.8%)とほぼ横ばいを確保した。
特に、「のれん」が3,120百万円(前期末は112百万円)と大きく増加しているところには注意が必要である。
なお、有形固定資産(及び開業費)の拡大には、2017年10月にオープンした国内ウェディング事業第1号店(京都市東山区)などが含まれている。
一方、有利子負債残高も前期末比47.3%増の14,255百万円に拡大。
同社の潤沢な営業キャシュ・フロー※から判断して、返済能力に懸念はないものの、更なる事業拡大に向けて財務基盤の強化は今後の課題と言える。
※有利子負債を営業キャッシュ・フローで除した「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」(何年分の営業キャッシュ・フローで返済できるかを示す指標)は7.1年となっている。
一般的には10年を超えると返済能力に懸念があると評価される可能性がある。
主な事業別の業績は以下のとおりである。
国内飲食事業は、売上高が前期比65.4%増の34,846百万円、営業利益は同52.0%増の3,656百万円と大幅な増収増益となった。
売上高は、前述のとおり、2社分の連結効果に加えて、前期出店分(14店舗)の通年寄与や既存店売上高の伸び、今期出店分(16店舗)が増収要因となった。
特に、既存店売上高が前期比100.1%(計画は99.1%)と計画を上回ったほか、連結効果にも上振れがあったようだ。
利益面でも連結効果に加えて、既存店売上高の伸びなどにより大幅な増益を実現。
ただ、利益率が10.5%(前期は11.4%)に低下しているのは、前述のとおり、ビールの値上げやカフェ業態の連結化による原価率の上昇のほか、国内ウェディング事業の初期費用などが影響したようだ。
海外飲食事業は、売上高が前期比6.7%増の1,511百万円、営業損失が96百万円(前期は181百万円の損失)と増収増益により損失幅が縮小した。
売上高は、前期(2017年2月期)におけるシンガポールからの撤退がマイナス要因となったものの、ハワイウェディング事業が立ち上がってきたことにより増収を確保した。
利益面でも、ハワイウェディング事業の伸びや不採算であったシンガポールからの撤退により損益改善が進んできた。
アミューズメント事業は、売上高が前期比8.6%増の8,719百万円、営業利益が同37.6%増の1,538百万円と増収増益であった。
売上高は、前期(2017年2月期)における優良大型店3店の退店による影響を受けたものの、前期出店分(7店舗)の通年寄与や既存店売上高の伸び、今期出店分(3店舗)が増収要因となった。
特に、既存店売上高は、パーティー需要の取り込みや各業態での店内施策が奏功したことで前期比106.1%(計画は101.5%)と好調に推移した(14ヶ月連続の対前年同期超えを実現)。
利益面でも、新規事業(カプセルホテル)及び新規出店の立ち上げによる初期費用が発生したものの、厳選立地への出店による早期黒字化や既存店売上高の伸びにより大幅な増益を実現し、利益率も17.6%(前期は13.9%)に大きく改善している。
■活動実績
1. 新規出店の実績
2018年2月期の新規出店は、国内飲食16店舗、アミューズメント3店舗の合計19店舗(計画は17店舗)と順調であった。
そのうち、既存ブランドが14店舗、新規ブランドが5店舗となっている。
既存ブランドは、「九州熱中屋」や「今井屋」、「BAGUS」などの中核ブランドのほか、長崎県五島市との連携※によるブランド「五島人」3店舗の新規出店を行った。
また、新規ブランドには、国内ウェディング事業における「京都祝言 SHU:GEN」(ウェディング施設)及び「京都幽玄 JUGEN」(料亭)のほか、カプセルホテル事業「GLANSIT(グランジット)」が含まれている。
※2017年2月7日に同社子会社のゴールデンマジックと五島市の間で「地域活性化連携協力に関する包括連携協定書」を締結。
相互連携協力と活動の推進により、五島市の更なる地域創生を図り、地域社会の発展に寄与していくことを目指す。
2018年2月末の直営店舗数は、新規出店19店舗、M&Aによる取得148店舗、退店15店舗により前期末比152店舗増の425店舗(そのうち、海外6店舗)と大きく拡大した。
特に、ゼットン及び商業藝術の連結化により、出店エリアの拡大や業態の多様化(ノンアルコール業態等)など、ブランドポートフォリオの拡充(分散)を実現したことは大きな成果と言える。
2. 国内ウェディング事業への本格参入
2017年9月には、連結子会社(株)The Sailingが、約380坪の広い敷地内に、八坂の塔を望むチャペルを持つウェディング施設「京都祝言 SHU:GEN」と料亭「京都幽玄 JUGEN」※を同時オープンし、国内ウェディング事業へも本格参入した。
初期投資額は約10億円規模(有形固定資産及び開業費)と推定される。
今後、2年半から3年をかけて単月黒字化を目指す計画だが、受注状況は計画を上回るペースで進捗しており、上々の滑り出しとなった。
※大正期に文豪や多くの名士が集った老舗旅館と旧三井邸を合わせてリノベーションした店内と日本庭園の景観美とともに、新鮮で厳選された四季折々の食材による日本料理の会席コースが楽しめる。
3. カプセルホテル事業への新規参入
また2017年10月には、連結子会社(株)バグースがカプセルホテル第1号店となる「GLANSIT AKIHABARA~COMFORT CAPUSLE HOTEL~(グランジット アキハバラ コンフォート カプセル ホテル」※(東京都千代田区外神田)をオープンし、需要が拡大しているカプセルホテル事業へも新規参入した。
これまで複合カフェ(インターネットカフェ)事業などで培ってきたノウハウを生かし、市場の伸びを同社の成長に取り込むところに狙いがある。
今後も継続的に出店していく方針のようだ。
※「GLAMPING」と「TRANSIT」を掛け合わせた「GLANSIT」ブランドは、バグースの強みである高いクオリティとホスピタリティによって、様々な目的を持った利用者の拠点または中継拠点として、ひと時の安らぎを追求するワンランク上のカプセルホテルをコンセプトとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)