米連邦準備制度理事会(FRB)のなかでも議長、副議長とともに権限のあるNY連銀のウィリアムズ総裁はニューヨークで4日に開催された非公式の銀行会合において国内総生産(GDP)の成長は軌道上にあり、景気見通しも「楽観的」との見方を示した。
3月6日のエコノミッククラブでの演説と類似する内容となった原稿で、失業率も低く、インフレ圧力もないと指摘した。
長期の経済ファンダメンタルズの変化により、金利は90年代に比べて低くなる可能性が強いとの見解。
利回り曲線は過去と同水準に戻る可能性は低く、この「ニューノーマル(新たな正常値)」が大中小の銀行に影響をもたらすとした。
また、2019年の経済は2%と、潜在的ペースの成長を予想している。
FRBは2つの責務「安定したインフレ」と「最大雇用」の達成に順調に向かっているとした。
トランプ米大統領は4日ツィッターで、FRBの不必要で有害な行動にもかかわらず米国経済が非常に強いと自信を表明すると同時にFRB批判を繰り返している。
インフレもなく、国内の楽観的見方も非常に高いとし、利上げがなかったら、3%、4%成長が実現可能だったと主張。
大統領やクドロー国家経済会議(NEC)委員長、また、FRB理事候補のムーア氏は、FRBの9月、12月の利上げは不要だったとの考えで、50ベーシスポイントの利下げを直ちに行うべきだと主張している。
2019年の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を有するるハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁は4日の講演で、ウィリアムズ米NY連銀総裁と同様に2019年の成長が2%前後と見ており、当面政策金利を据え置くが依然利上げにバイアスを持っている。
ただ、タカ派のハーカー総裁は経済の展開次第で利下げの可能性も完全に除外したわけではないと言及。
また、メスター総裁も今回のサイクルで利上げが終了した可能性にも言及している。
米金利先物市場では依然年内の利下げを60%織り込んでいる。
米3月雇用統計で、さらに米国の経済状況を探る。