アクセスグループ・ホールディングス<7042>(JQ、新市場区分スタンダード)はプロモーション支援事業、採用支援事業、教育機関支援事業を展開している。22年9月期はコロナ禍の影響が和らいで大幅増収・黒字転換予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は地合い悪化も影響して安値圏でモミ合う展開だが、大きく下押す動きも見られず底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。
■プロモーション支援事業、採用支援事業、教育機関支援事業
企業のセールスプロモーションを支援するプロモーション支援事業、新卒学生や転職を希望する若年層社会人向けに合同企業説明会・セミナー開催などを行う採用支援事業、学生募集をはじめとした教育機関の各種業務をサポートする教育機関支援事業を展開している。21年9月期の売上構成比はプロモーション支援事業が38%、採用支援事業が31%、教育機関支援事業が31%だった。
21年12月にはウィルズ<4482>と業務提携した。オンライン・ハイブリッド型IRイベント運営支援サービスを提供する。22年1月にはCLINKSと共同で若年者向けit人材育成支援プロジェクトをスタートした。22年2月にはキャンペーン事務局の需要拡大に対応するため関西キャンペーン事務局を開設した。22年3月にはバリューワンと共同開発したアプリ構築CMS「APPLI Me」の提供を開始した。自社オリジナルアプリを簡単に構築できる。
4月4日移行予定の新市場区分についてはスタンダード市場を選択し、上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。業績の向上(24年9月期計画売上高50億円、営業利益2億50百万円、経常利益2億23百万円、親会社株主帰属当期純利益1億71百万円)による1株当たり当期純利益の増加、株主還元の充実、成長分野への投資、IR活動の強化などの施策により、企業価値の向上(時価総額の増大)を図り、24年までに上場維持基準適合を目指すとしている。なお株主優待制度「プレミア優待倶楽部」を実施(詳細は会社HP参照)している。
■22年9月期黒字転換予想で収益改善基調
22年9月期連結業績予想は売上高が21年9月期比18.8%増の39億円、営業利益が70百万円の黒字(21年9月期は2億26百万円の赤字)、経常利益が43百万円の黒字(同2億46百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が39百万円の黒字(同4億29百万円の赤字)としている。コロナ禍の影響が和らいで大幅増収・黒字転換予想としている。
第1四半期は、売上高が前年同期比2.7%増の6億77百万円、営業利益が1億09百万円の赤字(前年同期は1億75百万円の赤字)、経常利益が1億17百万円の赤字(同1億81百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が1億18百万円の赤字(同1億82百万円の赤字)だった。赤字が縮小した。プロモーション支援事業が好調に推移し、採用支援事業における経費減少なども寄与した。
プロモーション支援事業は売上高が16.1%増の3億36百万円で営業利益(調整前)が4百万円の黒字(同31百万円の赤字)だった。デジタル商材、キャンペーン事務局、新型コロナワクチン関連が好調に推移し、増収効果で営業利益が黒字転換した。
採用支援事業は売上高が8.2%減の1億93百万円で営業利益が54百万円の赤字(同1億01百万円の赤字)だった。連合企画の一部開催延期で減収だが、個別案件の採用広報周辺業務が堅調に推移し、経費減少も寄与して営業赤字が縮小した。
教育機関支援事業は売上高が7.2%減の1億47百万円で営業利益が51百万円の赤字(同46百万円の赤字)だった。グループ会社間の異動に伴って人件費が増加したため営業赤字がやや拡大したが、期初時点で計画に織り込み済みであり、概ね計画水準で着地したとしている。
通期予想は据え置いている。大学との連携強化、業務代行案件の効率化と拡大、他社との業務提携、多様化する総合支援ニーズや公的施策への対応、財務面の強化と企業価値の向上を主要課題として事業拡大を図る方針としている。なお採用支援事業および教育機関支援事業においては、季節要因として下期の構成比が高い傾向がある。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。
■株価は底固め完了
株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く安値圏でモミ合う展開だが、大きく下押す動きも見られず底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。3月25日の終値は831円、時価総額は約10億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)