■会社概要
1. 会社沿革
ソルクシーズは受託ソフトウェア開発事業を目的に1981年に設立された2000年以降は金融業界や製造業など業界特化型の子会社を相次いで設立、各領域で競争力を高めながら事業の拡大を進めている2017年12月末時点での連結子会社数は10社、連結従業員数は710名で、うち約9割の624名がシステムエンジニア等の技術職で占めている
同社の主要株主構成を見ると、筆頭株主のSBIホールディングス
(出資比率16.0%)は、FinTech分野においてグループ会社と協業を進めている関係にあるまた、第2位株主の(株)ビット・エイ(同9.8%)はホームセンター大手であるコメリのシステム開発子会社で、同社の顧客でもあるまた、2017年5月には自動車分野におけるシステム開発での協業を目的に豊田通商と資本業務提携を締結しており、豊田通商が同社株式の1.0%を取得している
2. 事業内容
事業セグメントは同社及び子会社9社で展開するソフトウェア開発事業と、子会社1社で展開するデジタルサイネージ事業に区分されている2017年12月期における売上高構成比で見ると、ソフトウェア開発事業で約98%を占める主力事業となっている
(1) ソフトウェア開発事業
ソフトウェア開発事業では同社が金融業界向けを中心に展開するSI/受託開発業務や、それに付随・関連したアウトソーシング業務、パッケージソフトの開発・販売などのソリューション業務、情報機器販売業務のほか、特定業界・業務に特化した子会社9社で構成されている売上高の7割超は同社単独事業で占められており、業種別売上構成比で見ると金融業界向けが70.0%と大半を占め、なかでもクレジット会社向けが32.3%と高いことが特徴となっているその他にも銀行、証券、生保・損保など金融業界向けでは幅広い開発実績を持っている連結売上高に占める金融業界向けの売上比率も5割を超えていると見られ、現状は金融業界のIT投資動向に影響を受けやすい収益構造になっていると言えるただ、今後は子会社を中心に自動車分野やIoT、AI、クラウドサービス等の成長分野にも積極展開していく方針となっており、中長期的に見れば連結ベースで見た金融業界向けの依存度は低下していくものと予想される
また、同社の単独売上のうち直接顧客向けの売上比率は36.1%を占め、残り63.9%が大手SI会社等からの間接受注となっている売上構成比の上位を見ると、富士通系が19.6%、日立系が13.7%、IBM系が5.0%となっている収益性に関しては基本的に、直接顧客向けの方が高い傾向にあるが、外注比率や外注単価によっても変わるため、一概には言えない特に、ここ1~2年は直接顧客の売上構成比率が上昇したにも関わらず、単独ベースの売上総利益率は低下しているこれは外注比率の高い案件が増えていることに加え、2017年12月期においては開発遅延等により不採算プロジェクトが発生したことも要因となっている業種別で金融業界向けの粗利益率が低下傾向にあるのは、外注比率の上昇が一因となっている一方、その他産業向けは選別受注を行うことで逆に粗利益率が上昇傾向にあるなお、現在の外注比率は5割強の水準で、今後も同程度の水準を維持していくことを基本方針としている
主な連結子会社を見ると、 (株)エフ・エフ・ソルが銀行向けの受託開発、(株)コアネクストが証券バイサイド向けの業務システムの開発・保守等を主に行っているまた、(株)アスウェアはICTインフラの企画・構築・保守業務を、イー・アイ・ソルは組込・計測・制御関連分野でのソリューション業務をそれぞれ展開しており、これら子会社は開発面において同社と取引関係がある
一方、同社から独立して事業展開を行っている子会社として、自動車向けソフトウェア開発のコンサルティングサービスを主に展開するエクスモーションや、自動車教習所向け教習システム及び情報システムで業界シェア6割超とトップの(株)ノイマンがあるなかでもエクスモーションが展開するコンサルティングサービスについては、年々技術進化が進む自動車業界において車載システムの開発支援ニーズは旺盛で、日系大手自動車メーカーの大半を顧客としている
(2) デジタルサイネージ事業
連結子会社の (株)インターディメンションズで、商業施設やアミューズメント施設におけるデジタルサイネージ、AVシステム、セキュリティシステム等の設計・販売・設置工事・保守サービスのほか、再生可能エネルギー発電システム等の設置工事・販売・保守サービスなどを手掛けている営業エリアは主に東北エリアと首都圏となっている
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
1. 会社沿革
ソルクシーズは受託ソフトウェア開発事業を目的に1981年に設立された2000年以降は金融業界や製造業など業界特化型の子会社を相次いで設立、各領域で競争力を高めながら事業の拡大を進めている2017年12月末時点での連結子会社数は10社、連結従業員数は710名で、うち約9割の624名がシステムエンジニア等の技術職で占めている
同社の主要株主構成を見ると、筆頭株主のSBIホールディングス
(出資比率16.0%)は、FinTech分野においてグループ会社と協業を進めている関係にあるまた、第2位株主の(株)ビット・エイ(同9.8%)はホームセンター大手であるコメリのシステム開発子会社で、同社の顧客でもあるまた、2017年5月には自動車分野におけるシステム開発での協業を目的に豊田通商と資本業務提携を締結しており、豊田通商が同社株式の1.0%を取得している
2. 事業内容
事業セグメントは同社及び子会社9社で展開するソフトウェア開発事業と、子会社1社で展開するデジタルサイネージ事業に区分されている2017年12月期における売上高構成比で見ると、ソフトウェア開発事業で約98%を占める主力事業となっている
(1) ソフトウェア開発事業
ソフトウェア開発事業では同社が金融業界向けを中心に展開するSI/受託開発業務や、それに付随・関連したアウトソーシング業務、パッケージソフトの開発・販売などのソリューション業務、情報機器販売業務のほか、特定業界・業務に特化した子会社9社で構成されている売上高の7割超は同社単独事業で占められており、業種別売上構成比で見ると金融業界向けが70.0%と大半を占め、なかでもクレジット会社向けが32.3%と高いことが特徴となっているその他にも銀行、証券、生保・損保など金融業界向けでは幅広い開発実績を持っている連結売上高に占める金融業界向けの売上比率も5割を超えていると見られ、現状は金融業界のIT投資動向に影響を受けやすい収益構造になっていると言えるただ、今後は子会社を中心に自動車分野やIoT、AI、クラウドサービス等の成長分野にも積極展開していく方針となっており、中長期的に見れば連結ベースで見た金融業界向けの依存度は低下していくものと予想される
また、同社の単独売上のうち直接顧客向けの売上比率は36.1%を占め、残り63.9%が大手SI会社等からの間接受注となっている売上構成比の上位を見ると、富士通系が19.6%、日立系が13.7%、IBM系が5.0%となっている収益性に関しては基本的に、直接顧客向けの方が高い傾向にあるが、外注比率や外注単価によっても変わるため、一概には言えない特に、ここ1~2年は直接顧客の売上構成比率が上昇したにも関わらず、単独ベースの売上総利益率は低下しているこれは外注比率の高い案件が増えていることに加え、2017年12月期においては開発遅延等により不採算プロジェクトが発生したことも要因となっている業種別で金融業界向けの粗利益率が低下傾向にあるのは、外注比率の上昇が一因となっている一方、その他産業向けは選別受注を行うことで逆に粗利益率が上昇傾向にあるなお、現在の外注比率は5割強の水準で、今後も同程度の水準を維持していくことを基本方針としている
主な連結子会社を見ると、 (株)エフ・エフ・ソルが銀行向けの受託開発、(株)コアネクストが証券バイサイド向けの業務システムの開発・保守等を主に行っているまた、(株)アスウェアはICTインフラの企画・構築・保守業務を、イー・アイ・ソルは組込・計測・制御関連分野でのソリューション業務をそれぞれ展開しており、これら子会社は開発面において同社と取引関係がある
一方、同社から独立して事業展開を行っている子会社として、自動車向けソフトウェア開発のコンサルティングサービスを主に展開するエクスモーションや、自動車教習所向け教習システム及び情報システムで業界シェア6割超とトップの(株)ノイマンがあるなかでもエクスモーションが展開するコンサルティングサービスについては、年々技術進化が進む自動車業界において車載システムの開発支援ニーズは旺盛で、日系大手自動車メーカーの大半を顧客としている
(2) デジタルサイネージ事業
連結子会社の (株)インターディメンションズで、商業施設やアミューズメント施設におけるデジタルサイネージ、AVシステム、セキュリティシステム等の設計・販売・設置工事・保守サービスのほか、再生可能エネルギー発電システム等の設置工事・販売・保守サービスなどを手掛けている営業エリアは主に東北エリアと首都圏となっている
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)