[フランクフルト 19日 ロイター] - 中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)は19日に独ミュンヘンで、米禁輸措置の対象になって以降初めて新型スマートフォン「Mate(メイト)30」を発表する。
第5世代(5G)通信規格対応の同製品は世界で最も高性能・高機能なスマホとなる可能性があるが、米アルファベット傘下グーグル (O:GOOGL)が所有権を持つソフトやアプリを搭載できるかどうかが欧州での販売動向を左右するとみられる。
通信・メディア業界アナリスト、パオロ・ペスカトーレ氏は「発表会の注目度はかつてないほど高い」と指摘。「ファーウェイを巡る懸念や同社が直面する問題は多くあるが、同社はなお困難に打ち勝とうとしている」と分析した。
ファーウェイは米政府が5月に発動した禁輸措置が原因で売上高が約100億ドル減少するとの見通しをこれまでに示している。
欧州での製品発表会開催は、域内の5億人に上る消費者が同社にとっていかに重要かを如実に物語っている。米禁輸措置の発動後、同社の欧州市場でのシェアは5%ポイント低下した。
同社はメイト30の発表に向けてネット上で告知キャンペーンを打ち出しており、同じサイトで発表会のライブ配信も行う。発表会は1200GMT(日本時間午後9時)に開始予定。
<搭載するアプリは不明>
ファーウェイはメイト30にグーグルの携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」の最新版を採用し、アンドロイド上で動くアプリをまとめた「グーグル・モバイル・サービシズ(GMS)」も搭載できると期待している。一方、グーグルはアプリ配信サービスの「グーグルプレイ」やメールの「Gメール」、地図の「グーグルマップ」など同社が所有権を持つアプリやソフトは搭載できないという認識を示している。[nL3N25O4CZ]
グーグルが提供するアプリやソフトが搭載できなければ好調な販売は期待できない。アナリストは、同スマホがかつてないほど高機能で、ファーウェイの自前OS「ハーモニー」がアンドロイドに匹敵する代替品だと証明できれば、消費者をひきつけることは可能と指摘する。
ファーウェイは、メイト30のチップセット「Kirin(キリン)990」は韓国サムスン電子 (KS:005930)が既に発売し、米クアルコム (O:QCOM)製半導体を搭載した5G対応スマホよりも性能が優れていると主張する。
アナリストのリチャード・ウィンザー氏は、メイト30の外見と持ったときの感触は米アップル (O:AAPL)の新型「iPhone11」をしのぐだろうと調査ノートで分析した。
アナリストはメイト30の発売日のほか、最上位機種の価格がサムスンの5G対応「ギャラクシーS10」の小売価格1299ドルや「iPhone11Pro」のスタート価格である999ドルとどれだけ違うかに注目している。