[ストックホルム 16日 ロイター] - フィンランドの通信機器大手ノキアは16日、今後2年で最大1万人の人員削減を行う計画を明らかにした。コストを削減し、研究開発投資を増やす狙いがある。
2023年までにリストラや関連の費用として約6億─7億ユーロを計上する見通しとした。現在の従業員数は9万人に上る。
今回のリストラによって23年末までにコストベースが約6億ユーロ減少すると見込む。その半分は21年中に達成する予定。
同社の担当者はリストラは大半の国が対象になると述べ、欧州で近く労使協議が始まるとの見通しを示した。
ただ、昨年に1000人以上の人員削減が行われたフランスは今回のリストラから除外された。
ノルディアのアナリスト、サミ・サルカミース氏は予想より大規模なリストラだが、実際にコスト低下につながるわけではないと指摘。「同社は研究開発に軸足を移しつつあり、将来的な成長と収益性向上につながる見込みだ」とした。
ノキアはスウェーデンの通信機器大手エリクソンや中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)のシェア切り崩しを狙っており、研究開発だけでなく、第5世代(5G)移動通信システム、クラウド、デジタルインフラなど先端技術への投資を加速する計画。