[ソウル 30日 ロイター] - 韓国のサムスン電子は30日、米テキサス州オースティンの半導体工場の生産が、先週時点で通常の水準近くまで戻ったことを明らかにした。
同工場では1カ月以上にわたって生産が混乱、世界的な半導体不足を悪化させる要因となっていた。テキサス州では寒波の影響で複数のメーカーの半導体工場が2月16日に操業を停止していた。
サムスンは、生産がいつ完全に正常化するかについてはコメントを控えた。
調査会社トレンドフォースによると、同工場では、米クアルコムの5G用の高周波半導体と、サムスンのディスプレー用半導体、画像センサー半導体が、月間生産の約65%を占めている。
ソウルの複数のアナリストによると、電源管理用IC (PMIC)のほか、電気部品を制御する半導体も少量、生産している。
トレンドフォースによると、生産の混乱は4ー6月の世界のスマートフォン生産を約5%減らす要因となる見通し。今年の5G対応スマートフォンの普及率が低下する可能性もあるという。
ケープ・インベストメント&セキュリティーズ(ソウル)のアナリストは「スマートフォンメーカーは半導体の在庫はあるが、スマートフォンの在庫は現在少なく、同工場の操業停止により、今年下半期のスマートフォン生産に一定の影響が出る可能性がある」と指摘した。
アナリストは、同工場の生産混乱に伴う損失を3000億ー4000億ウォン(2億6500万ー3億5300万ドル)前後と推計。大半は4月発表の1-3月期決算に反映されると予想している。