[ロサンゼルス 9日 ロイター] - 実業家イーロン・マスク氏率いる宇宙企業・スペースXは、太陽表面の爆発現象「太陽フレア」で発生した「磁気嵐」により、衛星インターネットサービス「スターリンク」向けに新たに打ち上げた人工衛星49基のうち40基以上が機能停止に陥ったと明らかにした。
米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクドウェル研究員によると、磁気嵐など太陽嵐による衛星の被害としては過去最大とみられる。
スペースXは8日にウェブサイトに掲載した発表文で、3日に衛星を高度約210キロの「低軌道」に打ち上げ、翌4日に磁気嵐により使用不能になったと説明。
衛星打ち上げは通常、初めは低軌道に乗せ、打ち上げ直後の点検で機能の欠陥が見つかった場合に大気圏に再突入させ、焼却処分できるようにしていると説明した。
3日に衛星49基を打ち上げた際、数日前に発生した太陽嵐による影響について認識していたかどうかについては、説明がなかった。
米宇宙天気予報センターは、2─3日について「磁気嵐警報」を出しており、打ち上げの時期と重なっている。太陽表面からプラズマや電磁放射線が大量に放出される巨大な爆発現象である太陽フレアが1月29日に検知され、早ければ2月1日に太陽嵐が地球に到達する可能性が高いとしていた。
太陽嵐は地球圏で弱まりながらも3日まで続くと予想していた。
スペースXによると、衛星が乗っている低軌道で、磁気嵐の速度と強度により大気密度が急激に上がり、強烈な摩擦が起きて40基以上の衛星が機能不全に陥ったという。
スペースXは2019年以降、スターリンク向けに多数の小型衛星を打ち上げてきた。マスク氏は1月15日のツイートで、稼働中の衛星が1469基あり、272基が運用軌道に移行中としていた。
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