[25日 ロイター] - 米半導体大手のエヌビディアが25日公表した第2・四半期(5─7月)の売上高見通しは、供給網の問題やゲーム機向けGPU(画像処理半導体)の需要減速を背景に、市場予想を下回った。
ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、今四半期のゲーム部門売上高は前期比10%台半ばの減少になるとの見通しを示した。
「ゲーム市場は全体的に減速している」とし、需要鈍化を踏まえ中国市場への販売を減らす選択をしたと述べた。また、ロシアも打撃要因となっており、欧州での販売減速を見込んでいるとした。
第1・四半期(2─4月)決算は売上高と利益が市場予想を上回ったものの、株価は時間外取引で6.7%下落した。
第2・四半期の売上高は81億ドルを挟んで上下2%と見込んだ。情報会社リフィニティブによると、アナリストの予想平均は84億5000万ドルだった。
エヌビディアの見通しには、ロシア情勢と中国の新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)に絡む約5億ドルの減収予想が含まれる。コレット・クレス最高財務責任者(CFO)によると、内訳は中国とロシアのゲーム向け販売減が約4億ドル、ロシアのデータセンター向け販売減が1億ドルという。
クレス氏は、中国のロックダウンは物流だけでなく個人消費にも影響を及ぼしていると述べた。
シノバス・トラストのシニアポートフォリオマネジャー、ダン・モーガン氏は、これまで供給面の障害にうまく対処してきた同社が突然、問題に直面するのは不可解だとした。
サミット・インサイツ・グループのアナリスト、キンガイ・チャン氏は、業績見通しが市場予想を下回ったハイテク企業のほぼ全てが、ウクライナ紛争と中国のロックダウンが原因と主張していると指摘。その上で、エヌビディアは今後さらなる低迷に直面するとの見方を示した。
アナリストらは、GPU価格の下落や物価高を受けた裁量支出の減少が、エヌビディアのゲーム部門の重しとなる可能性が高いとみている。
暗号資産(仮想通貨)市場の低迷も、マイニング(採掘)に使われるGPUの需要に痛手となっている。クレス氏によると、仮想通貨採掘向け半導体の売り上げ減少を受け、「OEM・その他の売上高」は前年比52%減となった。
一方、企業のクラウド移行やAI(人工知能)導入が進む中、データセンター向けの需要は引き続き堅調だった。クレス氏は、こうした需要と自動車向けの販売が、ゲーム向けの売り上げ減少を補うとの見方を示した。
第1・四半期の売上高は46%増加し、過去最高の82億9000万ドルとなった。諸項目を除いた1株利益は1.36ドルで、市場予想の1.29ドルを上回った。
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