[16日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアが16日発表した第3・四半期(8─10月)売上高は59億3000万ドルと、リフィニティブがまとめたアナリスト予想(57億7000万ドル)を上回った。クラウドサービスの普及を背景にデータセンター向け製品が好調だった。
データセンター事業の売上高は31%増えた一方で、ゲーム向け半導体の売上高は51%減少した。株価は米株式市場引け後の時間外取引で1%上昇した。
第4・四半期の売上高は60億ドルを中心に上下2%の範囲になるとの見通しを示した。アナリスト予想は60億9000万ドル。
コレット・クレス最高財務責任者(CFO)は、米国の対中輸出規制が第3・四半期売上高に響いたが、マイナス分は「中国向けの代替製品の売り上げでおおむね相殺された」と説明した。
同社はデータセンター向け画像処理半導体 (GPU)「A100」に代わり、対中輸出規制に抵触しない新製品「A800」を中国で提供している。
ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)はA800が輸出規制の趣旨にも適合しているか問われ、「条文、趣旨ともに適合している」と強調した。中国での代替品販売については米商務省の了承を得ているのかを疑問視する声が業界内で上がっていた。
サミット・インサイツ・グループのアナリスト、キンガイ・チャン氏は「米商務省の輸出規制導入を受けて中国の顧客がエヌビディア製GPUの買いだめに走った結果、同社に恩恵をもたらした」と分析した。
一方、ゲーム事業は需要低迷に加え、暗号資産(仮想通貨)イーサリウムのマイニング(採掘)方法変更で打撃を受けた。クレスCFOによると、一部の中古市場で同社製GPUが多く出回るようになり、新製品の需要に影響を及ぼした可能性があるという。
同社製GPUは暗号資産のマイニング向け需要が強かったが、このところの市場の混乱も需要を下押ししている。ファンCEOは今後について、暗号資産を支えるブロックチェーン技術は主要な事業分野にならない見込みだと述べた。