[29日 ロイター] - ツイッターの信頼安全部門の責任者を今月の退社まで務めたヨエル・ロス氏は28日、実業家イーロン・マスク氏の買収後に安全性が向上したという従来の見解を撤回し、同社にはもはや安全管理業務に十分な人員がいないと警告した。
ロス氏は買収直後にマスク氏の下で安全性が向上したとツイートしていたが、退社後初のインタビューで今でも同じ考えか問われて「ノー」と答えた。
ロス氏は安全管理部門の責任者として、最も有名なユーザーだったトランプ前大統領のアカウントを永久停止にするなどの重要決定に関わった。
マスク氏がコンテンツモデレーション(投稿管理)担当の多数の人員を含めて従業員の50%を解雇したことを受け、広告主は相次ぎ広告を停止したが、ロス氏の退社でさらに動揺が広がった。
ロス氏によると、マスク氏が最高経営責任者(CEO)に就任する前は、世界で約2200人がコンテンツモデレーション業務に注力していたという。買収後の人数は分からないと述べた。
買収後は明文化し公開されているコンテンツ規約の堅持よりも、マスク氏のコンテンツに関する独断が先行し始めたと指摘。「独裁的な指示」で支配されるようになったため「もはや私が役職にとどまる必要はない」と判断したと述べた。