[リマ 7日 ロイター] - ペルー議会は7日、カスティジョ大統領を罷免した。ボルアルテ副大統領が同日、大統領に就任し同国初の女性大統領となった。2026年まで政権を担当する。
カスティジョ氏は一時的な議会の閉鎖などを宣言したが、議員らがそれを無視して罷免決議案の審議を進めた。賛成101票、反対6票、棄権10票の採決結果が発表されると、拍手喝采が巻き起こった。
ボルアルテ氏は、危機を克服するために政治的休戦を呼びかけ、あらゆる政治的見解を反映した新内閣が形成されると述べた。議会閉鎖を試みたカスティジョ氏の行動を「クーデター未遂」と非難した。
検察庁はその後、憲法の秩序を乱した「反逆」と「陰謀」の容疑でカスティジョ氏を拘束したと発表した。
首都リマでは数十人が街頭に出てペルーの国旗を掲げ、カスティジョ氏の失脚を祝った。一方南部アレキパなどでは同氏の支持者が抗議デモを行い警官隊と衝突した。
政治的な混乱を受け、同国の金融市場には動揺が広がったが、大統領就任以来、議会と対立してきたカスティジョ氏の罷免は投資家にとってプラスになる可能性があるとアナリストは指摘する。
通貨ペルーソルは対ドルで一時2%超下落したが、その後はやや持ち直し1.4%安に下げ幅を縮小している。
パンテオン・マクロエコノミクスのアンドレス・アバディア氏は「ペルーの金融市場は厳しい展開が見込まれるが、主に国内の堅調なファンダメンタルズに支援され崩壊することはないだろう」と述べた。
<米国は新政権を歓迎>
ペルーは政治の混乱が何年も続いており、歴代大統領に汚職疑惑が浮上したり罷免決議案が提出されることが何度もあった。
検察は10月にカスティジョ氏が「犯罪組織」に便宜を図ったなどとして訴えを起こしていた。
2021年7月に大統領に就任した同氏を巡っては過去に2回、罷免決議案が採決にかけられたが、必要な票数に届かず失職を免れていた。
米国のリサ・ケンナ駐ペルー大使はツイッター上で「米国はカスティジョ氏による議会の責務遂行を妨げるいかなる超憲法的な行為も断固として拒否する」と表明した。
その後、米国務省報道官はボルアルテ氏の大統領就任を歓迎し、同氏が約束した挙国一致政府を支援するとの声明を発表した。
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