[ベルリン 15日 ロイター] - ITコンサルタントのストランド・コンサルト(拠点デンマーク)の最新リポートによると、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)がドイツの第5世代(5G)移動通信システムの無線通信網機器に占める割合は59%で、第4世代での57%より依存度が拡大している。ベルリン市でのファーウェイの市場シェアは北京市よりも高いという。リポート公表前にロイターが閲覧した。
米政府からの強い外交圧力もあって、欧州諸国の多くは安全保障の観点から自国の5G網の一部ないし全体に中国企業の製品を導入するのを禁じている。リポートによると、特にエストニアやラトビア、リトアニアのバルト3国や東欧のスロバキアなどの小国は一切、ファーウェイ機器を使っていない。
リポートはロシア産天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム2」計画が安全保障上のリスクがあると長く批判されながらも、ドイツ政府がロシアによるエネルギーの軍事戦略使用はないと主張し計画を正当化していたと指摘。「ドイツは中国がちらつかせている安全保障の脅威を真剣に受け止めていない様子だ」と警告した。
ドイツでは2年前、5G網の「重要部品」では通信機器メーカー参入に高いハードルを設けるITセキュリティー法が成立している。ドイツ通信当局はロイターに対し、5Gの中核部品と無線通信網部品とでは規制が異なる点を指摘した。