[ワシントン/オタワ 11日 ロイター] - カナダのトルドー首相は11日、北部ユーコン準州上空で米軍のF22戦闘機が未確認の物体を撃墜したと発表した。カナダ軍が残骸を回収して分析するとした。北米上空で米軍が飛行物体を撃墜するのは2日連続。
カナダのアナンド国防相は記者会見で物体は円筒形だと述べたが、どこから飛来したかについては推測を避けた。気球かどうかも明言しなかった。1週間前に米サウスカロライナ州沖で撃墜された中国の気球と似ているが、これより小さいと説明した。
物体が上空1万2200メートル付近を飛行しており、民間航空機の運航に危険を及ぼすとの判断から、米東部時間午後3時41分 (日本時間12日午前5時41分)に撃墜されたと説明した。
「カナダ領内での影響は一般に懸念されるようなものではない」と述べた。
米国防総省によると、米国とカナダが共同運営する北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が10日夜にアラスカ上空で同物体を発見した。アラスカの基地から発進した米軍の戦闘機が物体を監視、カナダ軍機がこれに加わった。
同省のライダー報道官は声明で、米加当局が緊密に連携し、F22戦闘機がカナダ領空で空対空ミサイル「AIM─9X(サイドワインダー)」で撃墜したと述べた。
バイデン米大統領がトルドー氏と電話で会談した後、カナダと連携して撃墜するよう米軍に許可を出したという。
米ホワイトハウスは別の声明で「両国の領空を守る」ため緊密な連携を続けることで両首脳が一致したと発表した。残骸を回収して物体の飛来元や飛行目的などを調査することの重要性について協議したとしている。
10日にも米戦闘機がアラスカ州上空で未確認飛行物体を撃墜している。