[北京 21日 ロイター] - 中国のインターネット規制当局は21日、米半導体大手マイクロン・テクノロジーの製品について、ネットワークセキュリティー審査で不合格になったとし、重要インフラ事業者による同社からの調達を禁止すると発表した。
中国の重要情報インフラの定義を踏まえると、輸送から金融まで幅広い業界が含まれる可能性がある。
国家インターネット情報弁公室(CAC)は声明で「マイクロンの製品にネットワークセキュリティー上の深刻なリスクがあることが審査で判明した。これは中国の重要情報インフラの供給網に大きな安全上のリスクをもたらし、国家安全保障に影響を及ぼす」と述べた。
具体的にどのようなリスクが判明したか、マイクロンのどの製品が影響を受けるかなどには言及していない。
マイクロンは中国で販売している製品について、CACが実施した審査の結果を受け取ったとした上で、中国当局との協議を続ける方針を示した。
中国は今年3月下旬、マイクロンへの調査を発表していた。
マイクロンは売上高の約10%を中国で稼いでいるが、今回の決定が中国で活動する外国企業にも影響するかどうかは不明。アナリストによると、中国に輸出されるマイクロン製品の多くは非中国企業が購入し、現地で製造する製品に使用している。
米タフツ大学のクリストファー・ミラー教授は、CACの発表が主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)開催中に行われたのは重要だと指摘。「中国がG7サミットの機会を利用して、米半導体大手に対し報復したのは偶然ではない」と述べた。
バイデン米大統領は21日、G7諸国が中国との関係でリスク低減と多様化を目指すことで一致したと述べた。各国は経済的な優位性を利用して相手国を脅す「経済的威圧」に対抗する取り組み創設でも合意した。
ミラー氏は、マイクロンの事例でG7によるこの分野の取り組みが早くも試される可能性があるとの見方を示した。