[ワシントン 23日 ロイター] - 米国を国賓として訪問中のインドのモディ首相は、最終日となる23日、首都ワシントンでバイデン米大統領とともにハイテク企業大手の最高経営責任者(CEO)らと会談した。
ホワイトハウスの発表によると、会談に参加したのはアップルのティム・クックCEO、アルファベット傘下グーグルのスンダー・ピチャイCEO、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOら。ほかにも、生成人工知能(AI)「Chat(チャット)GPT」を開発した米オープンAIのサム・アルトマンCEO、インド企業からはマヒンドラグループの総帥アナンド・マヒンドラ氏、インド大手財閥リライアンス・インダストリーズを率いるムケシュ・アンバニ氏らも出席した。
<中国を意識してのものではない>
今回の訪米でモディ氏は、新たな防衛・技術協力で合意し、二国間関係の深化を図った。
バイデン政権がモディ氏を国賓として招いた背景には、米中の対立が深まる中、世界最多14億人の人口を擁する第5位の経済大国・インドとの距離を縮めようとする狙いがある。
モディ氏は今回の訪問中、中国に直接言及せず、バイデン氏は記者の質問に答える形で言及しただけだった。ただ共同声明には、中国が近隣諸国と領土問題を抱える東・南シナ海の緊張の高まりや不安定化を招く行動についての警告が盛り込まれた。
ホワイトハウス米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、中国が米印双方に突きつけている課題が議題に上ったとしながらも、今回の訪問は「中国に関するものではない。インドをある種の対抗軸として利用するためではない」と主張。米国はインド太平洋地域でインドが「安全保障の輸出国になりつつある」ことを歓迎しているとした。
しかし、複数の政治アナリストは、台湾問題などでインドが中国に対抗する姿勢を示すか疑問視している。米国はまた、インドがロシアと緊密な関係にあることにも不満を抱いている。