[シドニー 6日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した6月の貿易収支(季節調整済み)は80億豪ドル(54億3000万ドル)の黒字と、過去最高を記録した。黒字幅は30%拡大。予想の60億豪ドルを大幅に上回った。
これを受け、第2・四半期の経常収支は1970年代以降で初めて黒字に転じる可能性が高いとみられている。
資源輸出の拡大が続いており、家計消費の低迷を相殺し、第2・四半期の国内総生産(GDP)に寄与するとみられている。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ベン・ウディ氏は「最近の国内経済の低迷を踏まえると、純輸出がおそらく第2・四半期のGDP伸び率を押し上げるけん引役になる」とし、「国内の見通しは厳しいが、一筋の希望の光がさしている」と述べた。
統計発表を受けて、豪ドルは7カ月ぶり安値の1豪ドル=0.6748米ドルから0.6780米ドルまで上昇。
金利先物市場は、政策金利(現行1%)が10月に0.75%に、来年初めに0.5%に引き下げられるとの見方をほぼ完全に織り込んでいる。
6月の輸出は1%増加。主要輸出産品の鉄鉱石の価格上昇や石炭輸出の拡大が寄与した。6月の輸入は4%減少。国内消費・投資の低迷を示唆している。
第2・四半期の貿易収支は50億ドル以上拡大し、過去最高の198億豪ドルとなった。