[ワシントン 12日 ロイター] - 野党・民主党の大統領候補指名獲得を目指すベト・オルーク元下院議員とコリー・ブッカー上院議員は12日、少女らへの性的虐待などの罪で起訴された富豪ジェフリー・エプスタイン被告が拘置所で自殺した問題を巡り、トランプ大統領が根拠のない陰謀説をあおっていると批判した。
エプスタイン被告は10日、ニューヨーク・マンハッタンの拘置施設内で首をつった状態で発見された。同被告は生前、トランプ大統領やクリントン元大統領と親交があったとされる。
トランプ大統領は、「ジェフリー・エプスタインはビル・クリントンの情報を握っており、死亡した」という保守派コメディアン兼コメンテーターのテレンス・ウィリアムズ氏のツイッター上の投稿をリツイートした。
オルーク氏は「トランプ大統領が国民の信頼を利用し、根拠のない陰謀説を使って政敵を攻撃するという一例だ」と反発。さらに、先週末にテキサス、オハイオ両州で発生した銃乱射事件を受けて銃規制強化に向けた機運やトランプ氏自身への批判が高まる中、世間の関心をそらす戦略と批判した。
ブッカー氏も、トランプ大統領のリツイートを「無謀」と批判。「トランプ大統領は陰謀説をかき立てているだけでなく、米国内の(人種などが)異なる人々に対する怒りをあおっている」とし、「これまでもトランプ大統領が憎悪をあおったことにより、人々の命が脅かされている事態が起きている。非常に危険な大統領だ」と述べた。
エプスタイン被告は先月に自殺を試みたことから、自殺の監視リストに載せられていたが、その後監視対象から外れていた。同被告の死亡を巡り、米連邦捜査局(FBI)や司法省の監察長官は調査に乗り出した。
*誤字を修正しました。