[ロンドン 12日 ロイター] - ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は12日、英国を訪問し、英政府が「合意なき」欧州連合(EU)離脱を選ぶのであれば、米国はその決定を「心から」支持する考えを伝えた。
ボルトン氏は米英関係の改善を視野に2日間の日程で訪英。この日はジョンソン英首相と会談し、英国が期日の10月31日に首尾良くEUを離脱することをトランプ大統領が望んでいると伝えたほか、EU離脱後に米英が自由貿易協定を締結できるよう、米政府は迅速に用意を進めていくと語った。
会談後、ボルトン氏は記者団に対し、合意なきEU離脱が「英政府の決定であれば、米国は心から支持する方針を伝えた」と語った。
また、米英の貿易協定については、合意がより困難な分野は後に協議する形で、分野ごとに貿易協定を締結することが可能との考えを示した。包括的な通商合意を結ぶことが最終的な目的としつつも、とりわけ金融サービス部門で交渉が難航することが予想されると指摘した。
こうした中、英首相府は、ジョンソン首相がトランプ大統領と電話会談し、英国のEU離脱(ブレグジット)や貿易、経済問題について協議したことを明らかにした。「両首脳は世界の経済問題や貿易について協議し、ジョンソン首相はブレグジットの状況をトランプ大統領に伝えた」と述べた。
ホワイトハウスも、トランプ大統領は「国際問題への対処で英国が示す確固たる連携に謝意を示し、ジョンソン首相と近い将来会談することを楽しみにしていると伝えた」ことを明らかにした。
訪英前、ボルトン氏はイラン問題を巡り、ジョンソン新政権に米国と歩調を合わせるよう要請するとみられていたものの、この日の会談後、厄介な外交問題は後回しにすることは可能と語った。その上で「米国は圧力を掛けようとしているのではなく、ブレグジットで英国を支援したい」というメッセージを伝えたと明らかにした。