[シドニー 13日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)のケント総裁補は13日、非伝統的な金融政策の実施は排除しないものの、2会合連続で実施した利下げが成長を支援する見通しであることから、導入の可能性は低いとの見方を示した。シドニーでの講演で語った。
豪中銀は6月と7月に利下げを実施し、政策金利は過去最低の1%となった。その後は低金利を長期にわたって維持する方針を示している。
ケント総裁補は、豪国内でマイナス金利や量的緩和を導入する可能性に関する質問に対し「そうした政策の必要性は低いと思うが、当然可能性はある」と答えた。
その上で「海外の事例を検証してきた。それが妥当な対応だ」とし、「教訓の1つは、(非伝統的)政策の全てがオーストラリアで適切なわけではないということだ。置かれている状況に大きく左右される」と述べた。
総裁補はまた、政策は「通常の方法で機能している」と述べ、金利がゼロに近付く中、金融政策の効果を巡る懸念払しょくに努めた。
金融政策の緩和スタンスは、社債市場や銀行の資金調達コストを押し下げるとともに株価を支援していると指摘。「利下げは豪ドルの下落に寄与している」との見方も示した。
その上で「こうした広範な金融状況の緩和は、今後需要を幾分支援する」と述べた。