[オスロ 15日 ロイター] - ノルウェー中央銀行は15日、主要政策金利を予想通り1.25%で据え置いた。
中銀は、世界的なリスクの高まりを背景に政策見通しの不透明感が増したと表明した。
中銀はこれまで、年内に金利を引き上げる公算が大きく、9月の利上げの可能性が最も高いとの見通しを示していた。
ノルウェークローネは対ユーロで下落している。
中銀は「新たな情報を踏まえると、全体として、今後の政策金利の見通しは6月の報告以降、ほとんど変わっていない。グローバルなリスクの見通しを考えると、今後の政策金利を巡る不透明感は必然的に増大する」と表明した。
ノルウェー中銀は昨年9月以降、3回の利上げを実施。追加利上げの可能性を繰り返し警告している。
0814GMT(日本時間午後5時14分)現在、ノルウェークローネは1ユーロ=10.01クローネ前後に下落。中銀の発表直前は9.9750クローネだった。
ロイター調査では、エコノミスト31人全員が今回の金利据え置きを予想していた。
世界的に景気が減速する一方で、ノルウェー経済は今年、石油・天然ガス部門の投資ブームや政府の支出拡大を背景に堅調な成長が予想されている。
中銀は「ノルウェー経済はおおむね6月に予想したとおり拡大が続いている」とし、インフレ率は予想よりもやや低いとの認識を示した。
「通商を巡る緊張の高まりや、英国と欧州連合(EU)の関係に関する強い不透明感が国内外の成長を圧迫する恐れがある」との見方を示した。また通貨クローネの下落が今後インフレ率を押上げる可能性があると指摘した。
DNBマーケッツのエコノミストは「中銀は9月に利上げする可能性が高いと表明することができたが、そうしなかった」と述べた。
ノルデア・マーケッツのエコノミスト、エリック・ブルース氏は「9月に利上げするだろうが、それ以降の不透明感が高まったということだ。中銀は様子見姿勢を取る必要があるだろう」と語った。
*内容を追加しました。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20190815T084833+0000