[上海 16日 ロイター] - 米政府が中国国有の原子力大手、中国広核集団とその子会社による米企業との取引を禁止したことについて、中国外務省は15日、輸出管理政策の悪用であり、米中両国の企業に悪影響をもたらすと反発した。
米政府は今週、米国の安全保障や外交政策上の利益に反する活動に関与しているとして、米企業との取引を禁止する「エンティティー・リスト」に中国広核集団と子会社を加えると発表した。
中国外務省の華春瑩報道官は「一方的かつ保護主義的な政策で中国や世界の利益を損なう米国側に中国は断固として反対する」と述べた。
中国の政府系英字紙チャイナ・デーリーは社説で、中国広核に対する措置を米中貿易摩擦と関連付け、米政府はエンティティー・リストを乱用していると非難。「米国は真に合意を望むなら、高まる緊張を緩和したほうがよい」とくぎを刺した。
米国は昨年、中国系米国人の原子力エンジニアをスパイ容疑で起訴し、中国に対する民生用原子力技術の輸出規制を強化していた。[nL4N1WR5ZD]
中国は米ウエスチングハウスから移転された技術を用いた原子炉の建設などを計画している。
中国広核は15日、対話アプリ「微信(ウィーチャット)」の公式アカウントに投稿した声明で、エンティティー・リストに加えられたことでサプライチェーンに乱れが生じ、米企業との契約が制限されるとしながら、影響は「管理可能」との見方を示した。