[ブエノスアイレス 17日 ロイター] - 経済混乱が続くアルゼンチンで17日、ドゥホブネ財務相が辞任した。同氏はマクリ大統領に宛てた書簡で、経済分野で「大幅な刷新」が必要だとの考えを示した。
さらに、全てを仕事にささげたとし、巨額の財政赤字の削減や歳出抑制に尽力したと説明した。
政府関係者がロイターに明らかにしたところによると、マクリ大統領は、ブエノスアイレス州経済相で中銀高官も歴任したエルナン・ラクンサ氏を後任に指名した。
11日の大統領選予備選挙では、市場経済や財政規律を重視する中道右派マクリ氏が、野党の中道左派候補のアルベルト・フェルナンデス元首相に15ポイントもの大差で敗れた。フェルナンデス氏が10月の本選で勝利すれば、市場経済に向けた改革が進まなくなり、保護主義的な経済政策に逆戻りするとの懸念が高まり、ペソが急落した。
ペソは週末までに約21%下落。さらに格付け大手2社が16日、アルゼンチンのソブリン格付けを引き下げたことから、ペソは一段と圧迫された。
フィッチ・レーティングスはアルゼンチンの格付けを「シングルB」から「CCC」に引き下げた。大統領選挙の予備選結果を受け、債務不履行の可能性が高まったと判断した。
また、S&Pグローバル・レーティングもアルゼンチンの格付けを「B」から「Bマイナス」に引き下げた。今年の経済成長見通しも従来のマイナス1.6%からマイナス2.3%に下方修正した。