[ローマ/ルッカ 18日 ロイター] - イタリアの反体制政党「五つ星運動」は18日、連立を組む極右「同盟」の党首を務めるサルビーニ副首相について、もはや信頼の置けるパートナーではないとの見解を示した。連立の修復に道を閉ざした格好だ。
五つ星は18日の幹部会合で、コンテ首相が20日に上院で行う政局混乱を巡る演説後の対応について話し合った。
五つ星は会合後に声明を発表し、「サルビーニ氏について出席者は全員、もはや信頼の置ける対話相手でないとの見方で一致した」と明らかにした。
同盟のサルビーニ氏は今月8日、五つ星との連立は崩壊していると主張し、総選挙の実施を要求した。
同盟は内閣不信任案を提出したが、五つ星と野党の民主党(PD)は審議を拒否。五つ星とPDの間では連立の可能性も議論されている。
こうした動きを警戒したサルビーニ氏は態度を軟化させ、五つ星との連立を存続させる用意があることを示唆しているが、五つ星は拒否している。
五つ星の声明発表を受けてサルビーニ氏は、20日のコンテ首相の演説に柔軟な姿勢で耳を傾ける考えを示した。その上で、五つ星とPDによる連立政権のリスクを強く懸念しているとし、「できる限りの手を尽くして阻止する」と述べた。ただ、そうした「負け犬政権」を阻止する票を議会で確保していないことも認めた。
サルビーニ氏は、コンテ首相が「イタリアにとって有益な道を示せば、私にノーと言う権利があろうか」と述べ、連立解消にもはやこだわっていないことを明確にした。一方で、五つ星とPDが連携すれば「この国の主権が脅かされる」とし、同盟は抗議デモを行うと言明した。