[ロンドン 19日 ロイター] - ジョンソン英首相は19日、欧州連合(EU)のトゥスク大統領に書簡を送り、アイルランド国境問題に関する「バックストップ(安全策)」を離脱協定案から削除するようあらためて要求し、その代わりに離脱後の移行期間中に代替策を導入するとの合意を盛り込むことを提案した。
英領北アイルランドとEU加盟アイルランドの間にハードボーダー(物理的な国境)が復活するのを回避するためのバックストップは、メイ前英首相とEUが合意した離脱協定案に含まれている。
ジョンソン氏はEUとの合意の有無にかかわらず10月31日に離脱を強行すると公約している。首相府が公開した書簡によると、同氏は合意をまとめることは可能で、それが英政府の「最優先課題」だと強調。「英国とEUは既に『代替措置』が解決策の一部になり得るとの見解で一致している。これを踏まえ、バックストップを、移行期間終了前に可能な限り代替措置を導入するとの合意に置き換えることを提案する」と表明した。
バックストップの規定によると、アイルランド国境管理問題を解決する方法が見いだせない場合、英国は離脱後も一部EU規則に従い続けることになる。
ジョンソン氏は書簡でバックストップは「反民主的で英国の国家主権に矛盾が生じる」ため、「決して実行できない」と主調。ただ、ハードボーダーは復活しないと約束する考えはあり、「これに関する法的拘束力のある合意も喜んで受け入れる。EUもそうすることを望む」とした。
EUはこれまでのところ、離脱協定案の再交渉には応じない立場を堅持している。ジョンソン氏は今週、就任後初の外遊でドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領と会談する。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20190819T225719+0000