[ローマ 19日 ロイター] - イタリアの野党の民主党(PD)は、与党左派「五つ星運動」と連立政権樹立を視野に協議を開始した。PDの関係筋が19日に明らかにした。
五つ星の現在の連立相手である極右「同盟」は、コンテ首相の不信任案を提出すると表明している。同盟は現在の高い支持率を追い風に総選挙を実施すれば、勝利できると考えている。
ただ、今回の政局混乱がどのように収束するかは不透明で、同盟を再び野党に転落させる新政権の樹立など、様々なシナリオが考えられる。
あるPDの関係者は「五つ星と良い協議ができた。コンテ首相がどうなるかを見極める」とコメントした。また別のPD関係者は「誰もが新政権を発足させる準備ができている」と述べた。
コンテ首相は20日、今回の政局混迷について上院で演説を行う。演説後にマッタレッラ大統領に辞表を提出する可能性はあるが、自身に対する議会の不信任採決を待つことも考えられる。
五つ星はPDとの協議に関してコメントを拒否しており、首相の演説の内容を見極めるとしている。
コンテ首相が辞任した場合、マッタレッラ大統領はまず、過半数を得られる他の連立の組み合わせがあるかを模索するが、なければ、議会を解散させ、約3年半前倒しで総選挙を実施することになる。
ある政府筋は「状況は非常に流動的で、同盟と五つ星の連立が復活する可能性さえある」と語った。