[香港 20日 ロイター] - 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は20日、週末に行われた平和的な抗議集会は香港が平穏を取り戻すための取り組みのきっかけになり、対話により解決策を見いだせることを願っていると語った。
香港では6月中旬から、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案をきっかけにデモが続いているが、18日に行われた大規模抗議集会は大きな混乱もなく、これまでで最も穏やかな形で行われた。主催者側は170万人が参加したと発表した。
林鄭長官は記者会見で週末のデモについて「社会が平穏を取り戻し、暴力行為から遠ざかるきっかけになることを真に望んでいる」とし、「対話のための場を設けることに早急に着手する。対話は相互理解と尊重の上に成り立ち、対話により解決策を見いだせることを願っている」と語った。
さらに、これまでのデモ隊と警察の衝突や警察の暴力行為に関する批判について調査に着手していると表明。
また、同様に重要な問題として、「政治レベルで非常にはっきりと約束するが、改正案は死んだ。復活させるつもりはない。市民の懸念に配慮すればなおさらだ」と強調した。
香港では今後数日間にさらなる抗議活動が予定されている。21日には地下鉄運営の香港鉄路(MTR)の職員によるデモが、22日には中等教育学校の学生による改正案への抗議活動が予定されている。
デモ隊はこれまで、改正案の完全撤回や林鄭長官の辞任、逮捕したデモ参加者の訴追見送り、警察に対する独立調査委員会の設置などを求めて抗議を続けてきた。
警察がデモ隊を強制排除する際に催涙弾やゴム弾を多用していることに批判が集まっている。ただ、18日に行われたデモで動員された警察官の数は最低限にとどまっており、デモ参加者が逮捕されることもなかった。6月以降、700人以上のデモ参加者が逮捕されている。
*内容を追加しました。