[ブエノスアイレス 21日 ロイター] - アルゼンチンのラクンサ新財務相は21日、通貨ペソの大幅下落を容認しないと強調し、11日の大統領選予備選挙を受けた政情不安から急落しているペソ相場を下支えするため、外貨準備を活用すると表明した。
11日の大統領選予備選挙では、市場経済や財政規律を重視する現職のマクリ氏が、野党の中道左派候補のフェルナンデス元首相に15ポイントもの大差で敗れた。フェルナンデス氏が10月の本選で勝利すれば、市場経済に向けた改革が進まなくなり、保護主義的な経済政策に逆戻りするとの懸念が高まり、ペソ売りにつながった。
中銀は予備選後、ペソ防衛に向け7億0900万ドルの外貨準備を放出。市場関係者によると、この日も3度の入札で9400万ドルのドル売りを行った。
ペソは対ドルで0.53%安の55.03ペソで取引を終了。アルゼンチン株と債券の価格も小幅上昇し、市場は落ち着きを取り戻しつつあるように見える。
ラクンサ財務相はラジオ番組とのインタビューで「ペソの不合理な下落は容認しない。そのために外貨準備がある」と説明した。
格付け会社フィッチ・レーティングスのソブリン格付け責任者ジェームズ・マコーマック氏は20日、通貨ペソが一段と下落して同国債がデフォルト(債務不履行)に陥るリスクが高まった場合、再度格下げする可能性があると述べた。[nL4N25G4N3] OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20190821T230248+0000