[ローマ 27日 ロイター] - イタリア与党左派の「五つ星運動」と野党中道左派の民主党(PD)は27日、この日の連立協議で合意に向けて前進し、28日も協議を継続することを確認した。金融市場はこれを歓迎し、トランプ米大統領もコンテ氏が首相となることを期待するとツイッターに投稿した。
民主党幹部のマルクッチ氏は、五つ星との連立協議で進展があったと表明。また五つ星も民主党がコンテ氏の首相擁立を受け入れる意向を示したとして歓迎するとともに、協議の継続を望むとした。
マルクッチ氏は協議後、記者団に対し「われわれの取り組みは有意義な形で継続している」と述べた。また別の民主党幹部であるデミケーリ氏は「共通プログラムの基本点について分析を行った」と明らかにした。
トランプ大統領は「高く評価されるイタリアのコンテ首相にとって情勢が良くなりつつあるようだ。彼は非常に才能があり、引き続き首相を務めることを期待する」とツイートした。
五つ星と民主党の協議はこの日、一時中断される局面もあったが、その後双方の前向きなコメントを受け、金融市場ではイタリア10年債利回りが3年ぶりの水準に低下し、独連邦債との利回り格差は182ベーシスポイント(bp)を下回った。[nL3N25N2AW][nL3N25N2AW][nL3N25N3M4]
ただ、両党の間の緊張は解消されておらず、予想外の展開もあり得る。
民主党の関係筋は27日夜、副首相のポストを巡って協議が決裂する可能性が依然として残されていると指摘した。五つ星のディマイオ党首が民主党の反対にもかかわらず副首相にとどまることを要求しているという。
また五つ星のブログによると、仮に民主党との間で合意が成立しても、党員投票での承認が必要になる。一般党員の多くは民主党に批判的で、ソーシャルメディアでディマイオ党首に同党との連立に合意しないよう訴えている。
マッタレッラ大統領は28日1400GMT(日本時間午後11時)以降、両党から連立協議に関する報告を受けることになっている。両党の合意が得られなかった場合、大統領は議会の解散と総選挙の実施を決断する見込みだ。
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