[ロンドン/ブリュッセル 27日 ロイター] - 英野党は27日、欧州連合(EU)からの合意なき離脱を回避するため、ジョンソン首相に離脱延期申請を義務付ける法案の可決を目指すと表明した。労働党のコービン党首が野党各党と会合を開き、この法案を通過させることが最も支持を集めるとの認識で一致した。
「チェンジUK」のソーブリー党首は「一丸となって国にとって正しいことをする」と述べた。
英議会は今年、当時のメイ首相に離脱延期の申請を義務付ける法案を可決したが、野党勢力は今回も同様の法案可決を目指している。
野党勢力の結束を受け、英ポンドは対ドルと対ユーロで7月29日以来の高値を付けた。
こうした中、ジョンソン首相は、欧州委員会のユンケル委員長と20分間電話で会談し、アイルランドとの国境管理に関するバックストップ(安全策)を撤廃しなければ英国の欧州連合(EU)離脱を巡る合意の見込みはないと強調した。[nL3N25N3UM]
ユンケル委員長は、バックストップを巡りジョンソン氏が具体的な提案をすれば検討するとしたが、離脱協定と両立できる内容でなければならないとも指摘した。
英国側は「柔軟で創造性に富む幅広い解決策」を模索しているとした上で、国境を巡る議論と離脱協定は別だとの立場を示した。
EU当局者は、バックストップの代替案を求めるジョンソン首相の主張に耳を傾けていると話す。EU側は、この主張をこれまでは受け入れないとしてきた。ある英当局者は、バックストップを巡るEUのトーンに軟化が見られると語った。
欧州委員会の報道官は「活発な議論が行われ、考えが提示されているのは良いことだが、離脱協定に適合する具体的な案を示すのは英国の責任だ」と述べた。