[シドニー 30日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は30日公表の2019/20年度(19年7月から)業務計画で、同国の高水準な家計債務が経済のショック耐性を弱め、将来的な金利決定を複雑にする可能性があるとの見解を示した。
同国では2017年まで続いた住宅ブームで家計債務が膨らみ、所得に対する比率は190%を超え、過去最高を記録。これを受けて規制当局は融資規制の強化に乗り出し、住宅価格の急落を招いた。
最近の住宅市況の悪化や鈍い所得の伸びが家計の財務状況や消費者支出を圧迫しており、これが中銀による6月以降の2回の利下げの主な要因となった。
中銀は「家計の財務バランスにおいて債務が既に高水準にあることを踏まえると、資産価値やレバレッジの動きは、過去に比べて景気動向における重要性が増している可能性がある」と指摘。
「とりわけ、家計の所得の伸びが弱いことを考えると、高水準の債務は経済のショックへの耐性を弱め、将来的な金融政策決定を複雑にする可能性がある」とした。
中銀は、同国の金融システムは、国内大手銀行の好調な業績や自己資本規制比率の上昇が支える形で耐性が高い状態にあると指摘。居住用の住宅ローンの動向や高水準の家計債務がもたらすリスクを「引き続き注意深く見守る」とした。
金融システムのいかなるリスクにも対応できるよう、規制当局は「一段の措置を検討する用意がある」と表明。
また、柔軟な中期のインフレ目標は豪中銀の金融政策枠組みの中心に据えられているとの認識をあらためて示した。