[モスクワ/パリ 9日 ロイター] - フランス政府は9日、欧州とロシアが互いの不信を乗り越え関係改善に注力すべきとした上で、欧州連合(EU)による対ロシア制裁を解除するには時期尚早だと述べた。
EUは2014年、ロシアがウクライナ南部のクリミア半島を併合したことやウクライナ東部の親ロ派武装勢力を支援したことを受けロシアへ制裁を科した。
ただ最近は緊迫感が和らいでいる模様で、7日にはロシアとウクライナが捕虜を交換し、西欧諸国が関係改善を歓迎した。
ルドリアン仏外相はモスクワで開かれた仏ロの外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)後、「ロシアと欧州間の不信感を低減する時が来た。われわれは戦略的にも経済的にもパートナーであるべきだ」と指摘。「まだ制裁を解除する時期ではないが、過去数年間と比べ、われわれは新たな気持ちを抱いており、これはうれしいことだ」と述べた。
マクロン仏大統領は、西欧諸国を敵対視する国に対して背を向けるのではなく迎え入れる姿勢を取ってきたが、結果はまちまち。ロシアのプーチン大統領をベルサイユ宮殿に招待したほか、8月には自身の別荘に招き、ロシアが反政府抗議活動を取り締まったことに不快感を示した上で欧州とロシアの和解を呼び掛けた。
ロシア側は、ラブロフ外相がイラン核合意を守るためにフランスと協力し続けると発言。ショイグ国防相は、パルリ仏国防相などを赤の広場で開催する恒例の軍事パレードに来年招待したと述べた。ただ、両者ともロシアが将来的に欧州とどのような関係を築くかについては言及しなかった。