[11日 ロイター] - 米連邦最高裁は11日、米南部国境から入国する移民による難民申請を事実上不可能にする新規則について、合憲性を問う訴訟の判決が出るまで有効とする判断を示した。
移民政策の厳格化を掲げるトランプ大統領には追い風となる。トランプ氏はツイッターに「最高裁での大きな勝利だ」と投稿した。
最高裁の判事9人のうち、リベラル派2人が反対に回った。
米政府は7月に新規則を公表。中米諸国からの移民流入を抑制するため、メキシコなど第3国を経由して米国に到着する移民に対し、まずは第3国で難民申請することを義務付けた。
米国の人権擁護団体、全米市民自由連合(ACLU)などは新規則は米移民法に違反しているほか、規則制定の手続きにも違法性があるとして訴訟を提起していた。
新規則が7月に施行されてから8日後、カリフォルニア州の連邦地裁は全米を対象に同措置の差し止めを命令。その後、第9巡回区控訴裁判所は差し止め命令の対象範囲を狭める判決を下したが、今週9日に同地裁は再び全米を対象とする差し止め命令を出し、翌10日に第9巡回区控訴裁が対象を再び狭めていた。
最高裁の判断により、差し止め命令は解除された。
ACLUの弁護士は「これは暫定的な決定で、最終的にわれわれが勝利すると強く期待している」と表明。「何千世帯もの人命に影響が及ぶ」と強調した。
ホワイトハウスのギドリー報道官は、最高裁の判断は下級審の「誤った」判決を否定するもので、トランプ政権はこれに「満足している」と表明した。