[クアラルンプール 12日 ロイター] - マレーシア中央銀行は12日、政策金利を予想通り3.00%に据え置いた。中銀は、世界経済が減速するなか、内需が経済成長を支援するとの見解を示した。
現在の政策金利は引き続き「緩和的」とも表明した。
中銀は、一部の主要国中銀が金融政策を緩和したが「貿易摩擦の長期化と地政学上の動きを巡る不透明感が、金融市場に過度なボラティリティーをもたらす可能性がある」と指摘した。
ロイターが実施したエコノミスト調査では、11人中9人が据え置きを、2人が25ベーシスポイント(bp)の利下げを予想していた。
コンティニュアム・エコノミクスのアナリスト、チャル・チャナナ氏は、今回の金利据え置きについて「政策を温存した」との見方を示した。
中銀は今年の経済成長予測を4.3─4.8%で据え置いた。ただ「貿易摩擦の悪化、世界・国内環境の不透明感、コモディティー関連セクターの低迷長期化に伴う一段の下振れリスクがある」と指摘した。
UOB銀行のエコノミスト、ジュリア・ゴー氏は「(経済成長予測の据え置きに)安心した。(中銀は)下半期にかけて輸出の伸びが横ばいで推移すると予想している」と述べた。
同氏は年内の金利据え置きを予想しているが、他の複数のエコノミストは、来週にも予想される米連邦準備理事会(FRB)の利下げ後に、マレーシア中銀が少なくとも1回の利下げを実施するとの見方を示している。
キャピタル・エコノミクスは、「近く」利下げが実施されると予想。「最近の経済成長は底堅いが、この底堅さを維持できるとは思わない。インフレ率の急上昇を受けて個人消費が鈍化するだろう」との見方を示した。
7月のインフレ率は前年比1.4%と過去1年あまりで最高水準だった。中銀は年内から来年にかけてインフレが進行すると予想している。
中銀は5月に25bpの利下げを実施。2016年以来の利下げだった。
中銀は、輸出品が多岐にわたるため、世界経済鈍化の影響を一部相殺できるとの見方を示した。