[ロンドン 12日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)が12日発表した月報によると、米国は6月に一時的にサウジアラビアを抜いて世界最大の原油輸出国となった。
IEAは、十分な原油供給を背景に価格が低下し、世界の需要は経済的な逆風を乗り越えていると指摘。「原油価格は1年前に比べて約20%低下しており、消費者を支援する」と指摘した。
「シェール生産の拡大により、米国は世界最大の輸出国であるサウジアラビアに近づき、6月には原油輸出量が日量300万バレルを超えて一時的にサウジを追い抜いた」とした。
IEAは2019年と20年の世界需要の見通しを、それぞれ日量110万バレル増と同130万バレル増に据え置いた。
また、ハリケーン「ドリアン」の発生後の米国の生産回復や、ブラジルと北海での生産の大幅な伸びが、石油輸出国機構(OPEC)非加盟国による生産を押し上げる見通しだと付け加えた。
IEAは、OPEC非加盟国の生産の伸びが20年に日量230万バレルと、19年から同40万バレル増加すると予想。一方で、OPEC加盟国の原油に対する需要は20年上半期に同2830万バレルと、今年8月の生産量を同140万バレル下回るとの見通しを示した。