[イスタンブール 12日 ロイター] - トルコ中央銀行は12日、政策金利の1週間物レポレートを325ベーシスポイント(bp)引き下げ、16.5%とすることを決定した。昨年の通貨危機からの回復と景気後退からの脱却を目指し、前回7月に続く積極的な利下げとなった。
トルコ中銀は7月、約4年半ぶりの利下げを決定し、1週間物レポレートを24.00%から19.75%に425bp引き下げた。今回の措置で利下げ幅は合計で750bpに達した。
ロイターが11日にエコノミストを対象に実施した調査では、今回の利下げ幅の予想中央値は250bpだった。ただ決定発表前はスワップ市場で300─400bpでの利下げが予想されていた。
中銀は声明で、国内インフレの低下と世界的な金融緩和傾向に言及。「現在の金融政策スタンスは予想されるディスインフレの道筋とおおむね整合性が取れている」とした。このほか、インフレ見通しは8月に「大幅に低下した」との認識も示した。
中銀は7月に年末時点のインフレ率は13.9%になるとの見通しを示したが、今回、この水準を「若干」下回るとの見方を表明。「慎重な」金融政策が必要になるとの見解を示した。
モルガン・スタンレーのエルカン・エルグゼル氏は中銀声明について、今後の利下げが限定されることを示していると指摘。次回10月24日の決定会合で75bpの利下げが決定され、年末時点の1週間物レポレートの水準は15.75%になるとの予想を変えていないとし、「今後の利下げは、前回と今回と比べ抑制されたものになる」と述べた。
中銀の発表を受け、トルコリラは1ドル=5.6825リラに上昇。利下げ幅がスワップ市場で見られた予想ほど大きくなかったことで、前日比で約1%高となっている。