[ベルファスト 12日 ロイター] - 英ベルファストの高等法院は12日、欧州連合(EU)からの合意なき離脱が1998年の北アイルランド和平合意に違反するとした訴えについて、政治的な問題であり司法の領域を超えるとして退けた。
訴えは人権活動家のレイモンド・マッコード氏らが起こしたもので、ジョンソン首相のEU離脱戦略に対抗する一連の訴訟の1つ。スコットランドの上級裁判所は11日、ジョンソン首相が来月中旬まで議会を閉会したことについて、違法との判断を示した。政権側は最高裁に上訴する方針を示している。[nL3N2622ZV]
マッコード氏は、議会閉会の問題を含め他の訴訟の最高裁での争いに加わる考えを示した。
ベルファスト高等法院の訴訟で原告側は、英国が合意のないままEUから離脱すれば、北アイルランド紛争に終止符を打った1998年の和平合意に違反すると主張したが、バーナード・マクロスキー判事は、「本件は本質的かつ明らかに政治的な性質」を持ち、司法の領域を超えるとの見解を示した。
上級審に当たるベルファストの控訴院は、議会閉会を巡るマッコード氏らの訴えを13日に、合意なき離脱を巡る上訴を16日に、それぞれ審理するとしていたが、マッコード氏は12日、合意なき離脱を巡る上訴を進めながら、議会閉会に関しては最高裁での争いに加わることを目指すとした。