[ヘルシンキ 13日 ロイター] - イタリアで新政権が発足したことを受け、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会との予算案を巡る対立は前政権時代のように精鋭化しないとの見方が大勢となっている。
イタリアでは今週、中道左派の民主党(PD)と左派の「五つ星運動」で構成される新政権が発足。前政権と同様にコンテ首相が率いるが、「同盟」が連立から離脱し、同盟党首で副首相を務めていたサルビーニ氏の政権への関与がなくなったことで、EUと対立する手段として財政政策を利用する戦略をコンテ首相はもはや採用することはないとの見方が出ている。
サルビーニ氏率いる同盟が参加した前連立政権による2019年予算案はEU財政規律を大幅に逸脱するもので、欧州委は13年にユーロ加盟国の予算監視の責務を負って以来初めて、イタリアに予算案の改正を求める事態となっていた。
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のセンテノ議長はヘルシンキで記者団に対し、「新たに発足した親EU色が強い政権は力強いコミットメントを示しているため、(イタリアの20年予算案について)特に問題はないとみている」と述べた。
ただイタリアは来年の政府支出についてEU規律の最大限の柔軟な適用を求める可能性がある。EU当局者は「イタリアが提出する予算案はEU財政規律をかろうじて順守するものになると予想している。欧州委は親EU色が強い新政権の崩壊を招きたくないため、承認する公算が大きい」と述べた。
ユーロ加盟国は10月15日までに来年の予算案を欧州委に提出する必要がある。
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