[シドニー 17日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が17日に公表した議事要旨では、中銀が前回9月の会合で金利据え置きを決定した際、労働市場の余剰能力と最近の住宅市場の上向き傾向を考慮したことが明らかになった。
中銀は9月3日の会合で政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1%に据え置いた。[nL3N25U15J]
議事要旨によると中銀は、成長と2─3%のインフレ目標達成を支援するため、必要に応じて一段の政策緩和を検討するとしている。
金融市場は年内の追加緩和で金利は0.75%となり、2月までに0.5%に引き下げられるとの見方をほぼ完全に織り込んでいる。
議事要旨は「労働市場の状況など、国内外双方の経済動向を見極め、持続可能な経済成長と長期的なインフレ目標の達成を支援するため、必要なら追加の金融緩和策を講じる」としている。
今後の見通しについて中銀は、雇用とインフレ目標を達成するため、長期にわたる低金利を見込むことが「妥当だ」としている。
議事要旨によると、中銀は労働市場について議論した。国内の雇用は力強く拡大し続けているものの、豪失業率は5.2%に高止まりしている。同時に、賃金の伸びは依然抑えられており、賃金上昇圧力が高まっている兆しはほとんど見られない。
一方、国内住宅市場は、住宅ローン承認件数が増加し、入札の物件落札率が上昇しており、回復の兆しが見られる。
中銀は、長期化する米中貿易戦争が世界経済の成長の下振れリスクを増幅させたと指摘。さらに、海外の金融情勢が豪州にどう影響するかを詳しく議論した。