[ニューヨーク 16日 ロイター] - 2020年の米大統領選で民主党の候補者指名獲得を目指すウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)は16日、ニューヨークのマンハッタンで演説し、米国の政治・経済をむしばんできた腐敗を一掃すると表明した。
集会には多くの聴衆が集まり、その熱狂ぶりはウォーレン陣営が勢いを増していることを浮き彫りにした。
ウォーレン氏は「政府が富や縁故を持つ人々に有利に働き、その他の人々にはほとんど何もしない状況は紛れもなく腐敗だ」と強く非難した。
政治から腐敗を一掃し、他のすべての取り組みの前提条件として「大規模な構造的変革」を追求することが重要だと強調し、気候変動から銃規制、医療保険制度までさまざまな問題が解決されていないのは、いずれも巨大企業が政府を「買収」しているためだと主張した。
ウォーレン氏は集会に先立ち、ウォーターゲート事件以降最大と称する「腐敗一掃」計画を打ち出し、演説で概要を説明した。
このほか、ロビー活動のあり方も改めると言明。政府高官や議員がロビイストとなることを禁止するとともに、ロビイストが政策に及ぼす影響力を大幅に制限する考えを示した。
さらに、大統領と副大統領に事業資産を信託に移して売却することを義務付ける案なども明らかにした。トランプ大統領は自身のビジネスについて、経営権は息子に譲っているが、所有権は保持しており、公費を使って自身のホテルやリゾート、ゴルフ場などを頻繁に訪れている。
ウォーレン氏はこの日、進歩派グループ「ワーキング・ファミリーズ・パーティー(WFP)」の支持を獲得した。WFPは2016年大統領選の民主党指名争いではサンダース上院議員を支持していた。
ウォーレン氏は民主党候補の中で唯一、選挙戦開始から一貫して世論調査での支持率が上昇している。